◎ソース
http://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPJAPAN-32451120080626 原料高や値上げに伴う売上数量減少で悩む食品業界の中で、ご飯周り製品の健闘が目立つ。
小麦製品の価格上昇や政策面で「めざましごはん」キャンペーンなどから、米需要が拡大している
ことが追い風になっており、関連企業の収益にプラス材料となりそうだ。
総務省の家計調査によると、全国の2人以上の1世帯あたり品目別購入数量で、米は今年1月から
前年を上回る状態が続いている。直近の公表値である4月は前年同月比で1.8%増。2003年
4月との比較では12.8減となるなど、これまで年を追うごとに米の消費量が落ち込んでいた
ことから、米のご飯が見直された格好だ。
その背景として、小麦製品の価格上昇から相対的に米の価格に値ごろ感から台頭、米に需要がシフト
している点が挙げられている。食品業界の中からは「各種統計から、食卓のメニュー頻度でパン食が
落ちる一方でご飯食が伸びている。それとともにカレールウやレトルトカレー、チャーハンの素、
どんぶり関連などの伸長が目立つ」(エスビー食品5.T>の広報担当者)などの声が出ていた。
ハウス食品でもレトルトカレーの数量が足元で前年比2割の伸びを示している。
実際、家計調査で小麦製品の代表格であるパンとめん類の動向をみると、4月はパンが前年同月比
2.0%減、めん類が同3.0%減と3月のプラスからマイナスに転じた。パンについては、食パン
は同2.0%増とプラスをキープ、菓子パンやその他の製品の落ち込みが大きく「消費者の生活防衛
意識が強く働いている」(ある食品会社の関係者)という。
パンは朝食や夜食で食されるケースが多いため「とりわけ、朝食での米のご飯を食べる家庭が増えて
いるようだ。ご飯は、それだけで食べることはあまりなく、ご飯周りの製品を手掛けるメーカーに
メリットが生じる」(食品担当のアナリスト)ことから、お茶漬けやふりかけのほか、漬物、煮豆、
つくだになどの需要が拡大している。
カレー業界でも、大リーグのイチロー選手が朝食にカレーを食していることが注目されたことを
きっかけに、「朝カレー」が認知され始めたことで、レトルトカレーを朝食向けに拡大させる
プロジェクトを推進する動きもある。
永谷園では「2─5月の間で、お茶漬け商品群は前年比20%増、チャーハンの素は同10%増を
記録した」(広報担当者)という。フジッコでも「煮豆が2月に前年比27%増、3月に17%増
を記録。4─5月も10%前後の伸びとなった」(広報担当者)としている。
ただ、ご飯周り製品のすべてが好調なわけではない。中には「他の商品が好調な中で納豆は低迷して
いる。因果関係ははっきりしないものの、ねつ造報道に端を発した納豆騒動の後遺症も要因として
ゼロとは言い切れない」(旭松食品の広報担当者)といった声も出ていた。
そのほか、ご飯周り製品の好調の理由として、1月に起きた冷凍ギョーザ問題が影響しているとの
見方や、消費者が生活防衛から外食を手控えたことも大きいといった分析もある。
他方、ご飯周り製品は政策面でも追い風を受けている。政府が進める「めざましごはん」キャンペ
ーンが、米消費拡大に貢献したとの見方が少なくない。
>>2以降に続く
>>1の続き
「めざましごはん」は「ごはん」を主食とした日本の朝の食卓に注目し、朝ごはんの習慣化を広めて
いこうというキャンペーンで、昨年秋から農林水産省がスタートさせた。これについて農林水産省の
総合食料局食糧部消費流通課では「朝食を抜く若者が多い現状を踏まえ、食育の観点から始めた。
たとえば、20代男性の33.1%が現在朝食を食べないとの統計があるが、政府全体の食育計画で
2010年度に、これを15%以下に引き下げる目標を立てている。できれば、そこで米のご飯を
食べてもらうというのが狙いだ」としている。
農水省では、若者の欠食率から「50億食」の朝食が未開拓のマーケットとして存在することを
強調、そこで米の需要を増やすとともに、ご飯周り製品を手掛ける企業に対し、「めざましごはん」
のロゴを商品に入れるなどの協力を求め、官民一体で朝食摂取度を高めることを目指しているという。
これについて企業側からは「商品にロゴマークを入れキャンペーンに協力している。この効果も
大きいのではないか」(大森屋の広報担当者)との声も出ていた。大森屋では、のり、ふりかけ、
お茶漬け、和風スープなどご飯周り製品が前年比で2ケタのペースで伸びている。
ただ、数量的なメリットは期待されながらも「小麦を使用する製品もあるため、原料高の影響が
気になるほか、包装、物流費などの高騰も懸念される。これまでは見送っていた値上げも、
検討しなければならない状況だ」(永谷園)と原料高はマイナス材料として避けて通れない。
さらに、米の需要についても「現在は割安感があるが、米も販売価格が上昇すれば、その影響も
出てきそうだ。価格の話は別としても、米の消費量が本当に底を打ったのかどうか見極めたい」
(ある食品会社の関係者)といった指摘も出ていた。
(おわり)
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