【エネルギー】オール電化はエコじゃない!? 東京電力「企業優遇」の商魂 (日刊サイゾー)[08/06/19]

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3やるっきゃ騎士φ ★
-続きです-
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家庭では、使用した量が多ければ多いほど、単価が上がり、割高になる。このため、
消費者は省エネ家電を導入するメリットがある。企業に対しても同じことをすればいいのだ。

「そうしないのは、電気を使ってもらいたいからでしょう。そうすれば、発電所をもっと
建てられる。産業界での地位が、もっと高まりますから」(同)

そうして増えに増えた日本の発電所。発電所は、電力需要のピーク時に電気を供給できる
だけの数を用意しておく必要がある。日本はピークとそれ以外の時の差が大きく、発電所の
稼働率が低く無駄が多いのだという。

「電気事業便覧というデータ集を見ると、日本の発電所の稼働率(負荷率)は60%程度。
ドイツや北欧の72%に比べると、非常に効率が悪い。電力需要の波が大きすぎるのです。
日本も同じように、稼働率を72%まで上げた場合、4つに1つの発電所を止められます」

では、その電力需要の波を穏やかにし、稼働率を上げるためには、どうすればいいのか?

「実は、ピークははっきりしています。夏の平日、気温が31度を超えた日の午後2時から
3時にかけてだけなんですよ。だから、この時だけ電気料金を高くすれば、ピークを
分散することができます」(同)

この点については、電力会社も対応を進めているようだ。

「大口のお客様の需要を抑制すべきだ、という指摘はごもっともな話です。ですので、
すでにそうした取り組みは実施しております。たとえば時間帯別料金メニューなどを
用意して、負荷の下がる時間帯や季節に応じて、ピークが分散されるように努めて
おります。そうした契約【筆者注:使えば使うほど割安になる契約】もありますが、
ほかにも省エネに繋がるような選択肢を増やして、お客様に選んでいただいている、
という状況です」(東京電力広報担当)

そうした料金設定を選ぶ企業がどの程度いるのかについては「(データの)用意がない」
として回答を得られなかったが、田中氏によれば「全体の2%しか契約していません」
とのこと。もう少しピンポイントに料金の値上げを行い、省エネ設備の導入メリット
(あるいは浪費のデメリット)を大きくすれば、さらなる効果が期待できるはずだが、
強く出られないのはやはり「大口のお客様」に対する配慮だろうか。

環境への配慮をPRはするものの、結局、企業が最重要視しているのはコスト。
省エネ=省コストではない現行システムのひずみが、環境への負荷を高めているといえる
だろう。省コストと省エネを一致させるためにも、電力会社には、さらなる工夫が望まれる。
(逸見信介/「サイゾー」6月号より)

-以上です-
依頼を受けてたてました。