★インク粒子で個体認証 シヤチハタがラベルにナノ“秘技”
スタンプ大手のシヤチハタ(名古屋市)は16日、インクの着色の違いをナノレベルで識別し、
個体認証するシステムを開発したと発表した。ブランド品や医薬品の偽造品流通防止、
トレーサビリティー(生産・流通経路の管理)に有効としている。同社では2年後にも事業化し、
文具以外の事業展開を本格化させる計画だ。
印影の偽造防止策を研究していたシヤチハタが、ラベルなどの印刷で、色の微粒子の配置が
一つ一つ微妙に異なる点に着目。ベンチャー企業ナノダ(名古屋市)などと共同開発した。
製品を出荷する際、メーカーが製品のラベルを撮影し、画像の個体差を数値化してそのデータを
認証局サーバーに保存しておく仕組み。
製品が流通した後、消費者が手元の製品を撮影してサーバー側に送信すれば、保存データと
照合することにより、本物かどうかや、生産履歴を確認することができる。
機械類の組み立てや修理の際に純正以外の部品使用を防ぐことにも役立ち、電子タグと比べて
安価に導入できる点が特徴という。
シヤチハタは関連ソフトの販売を担当。提携してシステム運営に当たる企業や設備メーカーは
今後募っていくが、医薬品分野ではラベル装置を販売する岩田レーベル(愛知県一宮市)と連携。
岩田レーベルは実証実験に向けた準備を製薬会社と進める方針という。
東京都内で会見した舟橋正剛社長は「(個体認証の)市場規模は数千億円はある。文具以外の
次の柱にしたい」と話した。
ソース:中日新聞 2008年6月17日 朝刊
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2008061702000080.html