セラミックス関連メーカーが、日米欧でディーゼル車の排出ガス規制が厳格化されるのをにらみ、
排出ガス浄化に欠かせないセラミックス製品の生産能力の増強に踏み切る。ディーゼル車は、
ガソリン車よりも二酸化炭素(CO2)排出量が少ないため、自動車各社が環境対応の一環で
生産を増強しているからだ。だが、北米市場の減速が、一部メーカーのセラミックス製品の
増産計画にも影を落としている。
■北米市場の減速影響も
□日本ガイシ メキシコで北米用供給
日本ガイシは、粒子状物質(PM)を取り除く浄化装置(DPF)や、窒素酸化物(NOχ)を
除去する触媒の生産量を、標準的な乗用車換算で、14年までに1億6000万個に倍増する。
さらに09年9月からメキシコの新工場でDPF生産を始め、北米の自動車メーカーに供給する。
また、中国工場などで生産ラインを増やすほか、海外での工場新設も視野に入れている。
□デンソー ボッシュとポーランドで
デンソーは、独ボッシュと合弁で、10年にポーランドでDPFの生産を始める。
三重県いなべ市の大安製作所だけでは、欧州での需要に供給が不足するためだ。
□イビデン フランス生産1.5倍に
一方、イビデンは、09年からフランス工場のDPF生産能力を1・5倍に引き上げる。
だが、北米で建設を検討していたピックアップトラック向けDPF新工場は、北米市場の減速を
受けて凍結した。
一般的に、ディーゼル車はガソリン車よりも3割程度燃費が良く、CO2排出量も2割程度
少ないとされる。ディーゼル車の比率が高い欧州では、「ユーロ5」と呼ばれる排出ガス
規制基準が08年から商用車に導入され、10年からは乗用車にも適用される。
米国でも「US10」という新排出基準が10年から商用車に適用される。
各社の生産能力増強は、これらに合わせたものだ。
国内では、ディーゼル車の排出ガス規制は、道路運送車両法の保安基準で定められている。
さらに東京都など一部自治体が、PM、NOχの排出を防ぐことを義務づける条例を定めるなど
しており、国内でもDPFの需要が拡大するのは確実な情勢となっている。
--ディーゼル車の排出ガス規制--
ディーゼル車の排出ガス規制 ディーゼル車は、ガソリン車よりも、粒子状物質(PM)の
発生量が多く、ガソリン車が排出しない窒素酸化物(NOχ)を発生する欠点がある。
ディーゼル車が乗用車にも広く普及している欧州では、商用車と乗用車の両方に対する
排出ガス規制の強化が計画されている。現行の「ユーロ5」に加え、窒素酸化物(NOχ)
排出規制が強化される「ユーロ6」は、商用車が2011年、乗用車は14年に適用される
予定だ。また、ショベルカーやトラクターなど公道を走らない建設・農業用車両に対する
排出ガス規制(通称・オフロード法)も進んでおり、DPFを装着しないと使うことが
出来なくなりつつある。
ソースは
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_k/ckei080614_1.htm 依頼を受けてたてました。