★DJ-モンサント、大豆など主要作物の収穫量拡大を目指す
ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)除草剤・農業バイオ技術大手の米モンサント(NYSE:MON)は4日、
世界の食糧需要の拡大、限りある天然資源や気候変動といった状況のなかで食料生産を
引き上げるため、3本の柱からなる計画を明らかにした。
モンサントのヒュー・グラント最高経営責任者(CEO)はプレスリリースで「農業はわれわれが
地球上で直面する最も難しい数々の課題とかかわっている」として「われわれは環境を保護しながら、
拡大する食料・繊維・エネルギー需要に対応するため力を合わせる必要がある。つまり、世界は
より多くを保護しながら、より多くを生産する必要がある」と述べた。
同CEOはリリースで、中国・インドといった新興国市場でのより高タンパクの食事への需要や、
ここ10年でエネルギー価格が4倍上昇したことを主因に、世界は数十年ぶりに食品価格の大幅な
インフレを経験していると指摘した。
その上で、食品価格高騰に対処する取り組みの一環として、モンサントは大豆、トウモロコシ、
綿の収穫量を2030年までに00年の水準に比べて倍増させるという、以前からの目標に向けて
種子の改良を行うとした。
さらに、研究開発という点では「希少穀物」になっている小麦と米について、モンサントは公共部門による
調査を推進するため期間5年、1000万ドルの補助金制度を設けると、同CEOは述べた。
モンサントはさらに、目標とする30年までに耕作に必要な主要資源を3分の1減らす種子を開発するとともに、
農業分野の環境問題に対処するため外部と協力する方針を示した。
同社は計画の最後の柱として、小規模農家や資源不足の農業従事者の生活水準を向上させることを
打ち出している。
モンサントを含む農業関連の大手企業は最近、急激に膨らんでいる利益を農業分野への研究開発に
投資するよう政治家や利益団体に呼び掛けられている。ローマで開かれている食料サミットで国際連合
(UN)の潘基文・事務総長は4日、世界の食料生産を増加させるには年間150億−200億ドルが必要との
見解を示した。
グラント氏は4日、ダウ・ジョーンズ経済通信とのインタビューで、同社の計画の発表が食料サミットと
時期が重なったのは、全くの偶然にすぎないとした。
同氏は「われわれはこれに向けて2年間準備してきた」と述べたものの、どのような行動が必要かについて、
サミット参加者とモンサントは同じ考えのようだ、と指摘した。また同氏は、同社の計画にかかる総額は
見積もっていないとした。
ソース:Yahoo!ニュース 6月5日17時30分配信 ダウ・ジョーンズ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080605-00000020-dwj-biz