関西で障害者雇用を目的に企業が設立する「特例子会社」の事業が多様化している。
ワールド子会社は飲食事業に参入。コクヨ子会社は農業、ノーリツ子会社は廃棄給湯器の
リサイクル事業を開始した。これまでは清掃や印刷などの業務が多かったが、
事業領域を広げることで雇用拡大を図るとともに、これまで進んでいなかった
知的・精神障害者らの受け入れにもつなげる。
ワールドの特例子会社、ワールドビジネスサポート(神戸市)はこのほどワールド本社
1階にカフェ「アンダーレ・ア・ピエディ」をオープンした。イタリア風デザインの
店内でパンを作り、店頭に運ぶのは知的障害を持つ店員だ。
同社はワールドグループの庶務を担う特例子会社として、身体障害者を中心とする
約60人の障害者を雇用し、2004年に発足した。その後グループの社員数が増加。
「障害者雇用を増やすには事業の幅を広げる必要がある」(川上知之社長)として、
07年度から商品検品など新規事業を開始。カフェも合わせ障害者の人数を約130人にまで
増やした。うち約50人は知的障害者だ。
ノーリツの特例子会社エスコアハーツ(兵庫県明石市)は4月から、給湯器の
リサイクル事業を始めた。これまで廃棄されていた給湯器をノーリツが回収。
エスコアハーツが買い取り、銅やステンレスなど素材に分解して資源業者に売り渡す。
リサイクルは比較的納期に余裕があり、重度の障害者でも取り組みやすい利点がある。
同社は給湯器事業のほかに、名刺印刷、カタログ発送など複数の事業を展開。
板敷正人取締役は「配置転換できる環境を整えることで職場定着につながる」と話す。
06年設立以降、20人の知的障害者を雇用しているが離職者はゼロだ。
新たな特例子会社をつくる動きもある。コクヨは身体障害者による印刷業務の特例子会社
コクヨKハート(大阪市)を持つが、知的障害者を雇用するため特例子会社ハートランド
(大阪府泉南市)を設立。農業生産法人として無農薬サラダホウレンソウを生協や市場に
出荷している。
ニッセンホールディングスもu&n(京都市)を設立、5月に特例子会社の認定を受けた。
まず社員食堂の運営業務などでスタートしたが、秋には重度の視覚障害者を雇用し、
社員向けのマッサージ事業を始める計画。料金は市場価格の約半額で、
1回500-700円を想定している。
ソースは
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news000150.html “近畿2府4県の障害者雇用率”というグラフは
http://www.nikkei.co.jp/kansai/img/img000035.gif 依頼を受けてたてました。