★一挙三得?、「サイクルシェアリング」広がる
自転車を複数の人で共用する「サイクルシェアリング」が都市部で広がっている。環境に優しく、
健康にも良いと自転車が見直されているのに加え、迷惑駐輪対策にもなるためだ。ビジネスとしても
軌道に乗り始めた。(経済部 野中智章)
大阪市此花区に2007年10月に完成したマンション「リバーガーデンシティさくらの丘」(220戸)は、
駐輪場にサイクルシェアリング用の自転車を5台置く。各戸に2台分の駐輪スペースがあるが、そ
れ以上の台数が必要な家庭や、たまにしか乗らない住民に使ってもらっている。
管理人から鍵を受け取って借りる仕組み。12時間で100円。数回使ったという会社員、
後藤綾介さん(27)は「月に1回程度しか乗らないので、シェアリングで十分」と喜ぶ。
分譲したリバー産業(大阪市)は、06年以降に完成した7か所のマンションでシェアリングを導入した。
担当者は「マンション内での迷惑駐輪が防げる」と、今後分譲する物件でも積極的に導入する考えだ。
サイクルシェアリングの先駆けは、JR西日本の子会社、駅レンタカー関西(兵庫県尼崎市)が
1998年にJR住道駅(大阪府大東市)で始めた「駅リンくん」だ。自宅から駅まで乗る人と、駅から
職場や学校まで乗る人が共用する新たな利用法が受けた。1か月の利用料は1500〜2500円と、
駐輪場代と大差ない。
現在は大阪府、兵庫県、滋賀県の19か所の駅に広げ、1日の利用者は6000人。07年度の売上高も
1億7000万円に成長した。
ビジネスとしても注目され、阪急電鉄や近畿日本鉄道も同様のサービスを始めた。大阪府八尾市など、
自治体が駅に共用自転車を置く例も。
駐車場で自転車に乗り換える形のシェアリングも登場。神戸市中央区の駐車場「リパーク神戸旧居留地」は
自転車20台を置き、利用者に無料で貸し出す。運営する三井不動産販売は「駐車場の稼働率も上がった」と
話している。
ソース:読売新聞(2008年5月18日)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20080518p201.htm