個性あふれる「道の駅」が今、人気を集めている。
地元の野菜が豊富に楽しめる道の駅や、格安でバーベキューができる施設を備えた道の駅など、
その土地のものを安く楽しめるのが魅力。これまで道の駅は、目的地へ向かうための「休憩施設」
としての役割が大きかったが、最近では道の駅そのものを目的地に、多くの親子連れが訪れている。
道の駅もそれぞれが特色を打ち出し、“顧客獲得”に力を入れている。
大阪府能勢町の道の駅「能勢・くりの郷」には、休日になると1日に約5000人が訪れる。
朝収穫されたばかりの旬の野菜をはじめ、タラの芽やコシアブラなど、市場ではあまりお目に
かかれない商品がずらりと並び、すべての商品に生産者の名前が記されている。「新鮮さ」や
「安心感」が人気を呼び、平成12年の開業当時の総売り上げは1億2000万円だったが、
昨年度は4億5000万円と4倍に増加。出荷する農家も3倍に増え売り場が手狭になったため、
4月下旬に新館(約280平方メートル)を増築した。兵庫県西宮市の主婦、岸本幸さん(34)
は「家族でドライブがてらに来ました。スーパーにない野菜が多く、子供とともに楽しんでいます」。
また、昨年6月にオープンした大阪府羽曳野市の道の駅「しらとりの郷」は、地元産野菜の販売
所や野外活動広場、4時間500円(食材費は別)でバーベキューが楽しめる施設を備える。
南阪奈道路羽曳野インターチェンジから車で約2分という地の利から、6億円程度の年間売り上げ
を見込んでいたが、オープン1年で15億円に達する見込みという。山中清隆駅長(59)は
「駐車場代も入場料もいらないので、親子連れが1日中楽しんでいます。中国製ギョーザの中毒
事件以後、野菜を求める客が増えました」と予想外の人気に驚きを隠せない。
このほか、本場但馬牛のステーキが食べられる兵庫県香美町の「村岡ファームガーデン」や、
温泉を備えた奈良市針町の「針T・R・S」などもユニーク。ゴールデンウイークにイベントを
開催する道の駅も多く、多くの来場者が見込まれるという。
道の駅は平成5年4月に全国で103駅が登録され、現在では868駅に。近畿では97駅が
登録されている。近畿「道の駅」連絡会によると、当初は長距離ドライバーや高齢者が、食事や
トイレを利用する「休憩施設」としての機能が主な役割だった。しかし最近では、食の安全を
求める消費者や、安くのんびり過ごしたいという客の増加で「地元の情報発信」や「レジャー
施設」としての機能が高まっているという。
同連絡会事務局の広島才治さん(58)は「大都市近郊にあり、ちょっと足を伸ばして楽しめる
道の駅は、『遊園地に行くより気軽に楽しめる』という魅力が人気につながっているようだ」と
話している。
◎道の駅総合サイト(全国「道の駅」連絡会議)
http://www.michi-no-eki.net/ ◎ソース 産経MSN
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080504/trd0805040200000-n1.htm