情報技術(IT)アウトソーシング大手のトランスコスモス(東京・渋谷)は25日、地場ビジネス・
プロセス・アウトソーシング(BPO)関連企業ロジコールと資本提携を結んだと発表した。
英語対応のコールセンター事業に本格参入し、国際アウトソーシング市場のシェア拡大を狙う。
東南アジア地域では4カ所目の拠点となる。
トランスコスモス本社の広報担当者は25日、NNAに対し「昨年にロジコールに出資することで
合意し、今月中旬にロジコール株51%の取得を完了、正式に子会社化した」と明らかにした。
首都圏マカティ市にあるロジコールの事業拠点を通じ、英語対応のコールセンター事業を
手掛ける。同担当者によれば、昨年12月から業務を開始しており、すでに米国のオーディオ
機器メーカーのテクニカル・サポート事業を請け負っている。トランスコスモス側の役員として、
小島豊執行役員兼海外事業本部オフショアサービス部長が、ロジコールの
代表取締役兼最高執行責任者(COO)に就任することが決まっている。
フィリピンでは、当面は英語対応のサービスを想定しているという。ロジコールが契約する
欧米の顧客を引き継ぐほか、英語サポートを必要とする日系企業も視野に入れる方針だ。
フィリピンへの進出を決めた理由として、「これまで日本で培ったノウハウを生かし英語市場に
参入する上で、政府がBPO事業を積極的に支援し、優秀な人材が集中するフィリピンが
ベストと判断した」と説明している。またロジコールとの提携は、セールスアウトバウンドの
高い実績があり、投資委員会(BOI)やBPOの業界団体フィリピン・ビジネス・プロセッシング
協会(BPAP)の推薦を受けている点が決め手になったようだ。
また、2月に貿易産業省が開催したBPO産業に関する国際会議「第8回Eサービシズ・
グローバル・アウトソーシング・センターズ・オブ・エクセレンス」には、石見浩一取締役副社長が
出席し、同社のアジアでの取り組みなどについて講演を行った。「機会があれば今後も
こういった場に参加し、フィリピンでのプレゼンスを高めていきたい」(広報担当者)という。
ロジコールは2005年設立。社員数150人、席数300席で、コールセンター業務のほか
バックオフィス業務や財務関連のBPOサービスなどを手掛ける。
トランスコスモスは、東南アジア地域への進出を積極的に押し進めており、フィリピンは
4拠点目。昨年には同地域の事業拠点としてシンガポールにトランスコスモスMCMアジア・
パシフィックを設立、シンガポールとマレーシアに拠点を置く広告代理店とも資本提携を
結んでいる。アジアの各国企業と連携した多言語対応のコールセンター事業を目指し、
現在は日本語のほか韓国語、中国語、タイ語対応のサービスを提供している。
(ソース)
http://news.nna.jp/free/news/20080428php002A.html (トランスコスモス)
http://www.trans-cosmos.co.jp/ ▽トランス・コスモス(株) 株価 [適時開示速報]
http://company.nikkei.co.jp/index.aspx?scode=9715 http://smartchart.nikkei.co.jp/smartchart.aspx?Scode=9715