石油元売り最大手の新日本石油は9日、富山製油所(富山市)の原油処理(処理能力・
日量6万バレル)を09年3月末でやめ、設備を廃棄すると発表した。
原油価格の高騰と国内の石油需要の減少が理由という。同社が原油処理設備を廃棄
するのは、01年の和歌山県の海南製油所以来だ。
石油元売り会社は、出光興産がベトナムでの製油所建設を発表するなど、
国内需要減少への対応に追われている。
新日石が廃棄を決めたのは、連結子会社の日本海石油が持つ富山製油所。
69年の操業開始で、七つある新日石の製油所のうち、唯一日本海側にある。
原油処理をやめた後は、石油製品の中継基地に衣替えする。126人の従業員は
希望退職の募集や配転で半分程度に減らす。北陸地方への石油製品の供給は、
岡山県の水島製油所から行う方針。
原油価格の高騰を受け、最近はガソリンや石油化学原料ナフサを多く取り出せる軽質油が
値上がりする一方、こうした成分をあまり取り出せない重質油の価格上昇は緩やかだ。
このため、元売り各社は重質油の活用に力を入れている。だが、富山製油所には重質油から
ガソリンやナフサを取り出すのに必要な重質油分解装置がなく、採算が悪化。
原油価格が上がり始めた04年度から経常赤字だった。
元売り全社の原油処理能力は日量約480万バレルだが、国内の石油製品需要は
400万バレルを切るまで低下している。
しかし、原油価格の高騰を背景に、乗用車の小型化・低燃費化が進み、
電気式蓄熱型ストーブも広く普及してきた。石油製品の需要は今後も減少傾向が続く
見通しだ。
3月18日には新日本製鉄グループの石油元売り会社である九州石油が、新日石へ吸収合併
されると発表した。同月27日には、出光興産が「国内需要だけでは本業が収縮する」
として、ベトナムでの製油所建設を発表した。
ソースは
http://www.asahi.com/business/update/0409/TKY200804090344.html 依頼を受けてたてました。