食に対する事件・事故の多発から、消費者の企業に対する視線は厳しくなっている。
日本ブランド戦略研究所は、一般消費者を対象に、企業・機関の事件・事故に対する消費者の
意識調査を行った。
■許せないのは「危険性を知りながら販売、犠牲者を出した」事件
発表された資料によると、許せないと思う事件・事故としては、
「製品の危険性を知りながら販売を継続し、犠牲者を出した」(86%)、
「食品の安全性への配慮を怠り、食中毒を招いた」(82%)、
「建物の耐震性能を偽った」(80%)
で、食と住の安全への影響が大きいものが上位にあがっている。
一方、やむを得ないと思う事件・事故の状況としては、
「消費者が使用上の注意を守らず、危険な使用方法で製品を使用した」(58%)、
「消費者が製品の経年劣化を無視して、長期間使用を続けた」(52%)
となり、消費者側の「使う責任」も意識されていることがわかった。
また、事件・事故を起こした企業・機関の信頼回復に有効と思う対応は、
「情報を公開する」(93%)、
「被害を被った人に対する補償を誠意を持って行う」(81%)、
「その後の経緯を継続的に公表する」(80%)
となった。
■松下電器の「暖房機の一酸化炭素中毒事故」への対応は高評価
事件・事故後の対応が評価できる企業・機関についてたずねたところ、「評価できる」とする人が最も
多かったのは「松下電器(FF式石油暖房機の一酸化炭素中毒事故)」(67%)で、他企業・機関を大きく
引き離している。同社が行った新聞広告やテレビコマーシャルを使った大々的な告知活動と徹底した
製品回収が支持され、特に年代が上がるにつれて「評価できる」と回答する比率が上がっている。
また、「外部から不二家の発展を見守る会」を設置して、一時的ではなく継続的な改革を行う姿勢を
示した「不二家(消費期限切れの原材料を使用)」(39%)、全従業員による行動基準の見直しや、
役員間の情報共有の強化を行った「雪印乳業(食中毒事件)」(35%)もそれぞれ一定の評価を受けた。
以下「日本製紙(古紙配合率偽造)」(19%)、「関西テレビ(あるある大事典問題)」(11%)、
「JAL(整備ミス)」(10%)、「三菱ふそうトラック・バス(リコール隠し)」(9%)、
「ニチアス(耐火材偽装)」(8%)、「NHK(番組制作費の詐取)」(6%)、
「社会保険庁(消えた年金)」(3%)が続いているが、それぞれ20%以下と低い数値となっており、
特に3%と最も低かった社会保険庁については、対応策として取った長官の給与返納も、社会保険事務所
所長の民間登用も、信頼回復にはほとんど寄与していないと指摘している。
■女性のほうが事件・事故に対する見方は厳しい
今回の調査は、全国のインターネットユーザー(20歳以上/男女)を対象とし、サンプル数は男女
それぞれ200人。企業への評価について全般的に女性の数値が低くなっているのが特徴で、
「許せない事件・事故ランキング」においても、女性の方が男性よりも事件・事故に対して厳しい見方を
するという結果となっていることから、同研究所では信頼回復へのハードルも女性のほうが高いと分析
している。
ソースは
http://markezine.jp/a/article/aid/3030.aspx 依頼を受けてたてました。