ダイエーなど経営難に陥った大企業を救済した産業再生機構の地方版として、
内閣府が今夏の設立を目指す「地域力再生機構(仮称)」は、5年間の存続期間中に
約100件の支援を想定していることが24日、明らかになった。
地方自治体が出資して赤字に陥っている第三セクターや地域の中核企業を支援対象とし、
再生不能と判断した場合は清算も勧告するという。
産業再生機構は、大手銀行の不良債権処理を加速させるため、経営不振に陥っていた
ダイエーや旧カネボウなど都市部の大企業を中心に、41件の企業・グループの再建を支援し、
昨年3月に解散した。
金融機関と企業からの支援要請に基づき債権を買い取り、関係者間の利害調整を行って、
最終的に民間に譲渡する手法を産業再生機構はとったが、地域力再生機構もほぼ同じ手法をとる。
ただ、対象はより小ぶりになるとみられ、「産業再生機構の2倍、約100件の支援は可能」
(内閣府幹部)とみている。
産業再生機構が支援を検討した企業・グループは約100件で、うち41件を支援。
地域力再生機構は約200件の支援を検討し、うち半数を支援決定できると想定する。
第三セクターでは不採算の鉄道やリゾート施設、民間では温泉旅館などが対象となりそうで、
地域全体の経済活性化が最終目標。再建が難しいと判断した場合は清算も勧告する。
ただ、第三セクターの支援要請は、地方自治体での議会審議が必要になり、
早い段階からどこが対象になっているかが公になる。
関係者の反発から「機構の活用が進まないのではないか」という懸念が出ている。
また、全国の第三セクターは、ほぼ半数の3500程度が赤字か債務超過に陥っているとされ、
地域のしがらみも多いことから、再建には「民間はとても手を出せなかった」(投資ファンド幹部)
経緯がある。再生は難航するとみられ、人材不足も心配されている。
地域力再生機構の資本金は300億円で国、都道府県、民間金融機関が
それぞれ3分の1ずつの100億円を出資する。
債権などの買い取り資金のための政府保証枠は1兆6000億円。
存続期間は5年間で、前半2年間を支援、後半3年間を再建期間とする。
ソース
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200803250007a.nwc