国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした日本の実験棟「きぼう」に、宇宙飛行士の
土井隆雄さん(53)が搭乗し、連日の注目を集めているが、地上に目を転じると国内では
「宇宙靴」「宇宙ふとん」の開発が進んでいる。船内での活動や体調維持に適した構造で、
土井さんに続きシャトルに乗り込む星出彰彦さん(39)、日本人初となる宇宙長期滞在にも
挑戦する若田光一さん(44)とともに活躍する姿が見られるかもしれない。
指先が二股に分かれ、一見すると足袋のような姿の「宇宙靴」。スポーツ用具メーカーの
アシックスと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で研究開発した。長期の宇宙滞在では、
筋肉の萎縮や体力低下が避けられない。宇宙飛行士は1日2時間の運動が義務付けられており、
宇宙用運動靴として「足を保護するのではなく、負荷をかけ足が持つ本来の機能を
引き出すこと」を狙いに開発された。
アシックス・スポーツ工学研究所の田川武弘さんによると、足袋型にしたのは、足指のつかむ力
や足のふんばりが強化できるようにするため。さらに靴底に傾斜をつけることで、履いている
だけでも坂道を上っているような感覚になり、ふくらはぎに負荷をかけ筋肉の機能低下を防ぐ
という。また、宇宙滞在の最長記録(通算748日)を持つロシアの宇宙飛行士セルゲイ・
アウデエフ氏と面会したおりに、「足を包み込むような靴がほしい」との希望も受け、柔らかな
素材を使い柔軟性も持たせている。
田川さんは、この宇宙靴の技術について「理論上では、地球でも機能回復用の靴としての
活躍が期待される」と話す。履くだけで運動になるなら、ダイエットにも使えるかも?
また「SPACE FUTON(宇宙ふとん)」を共同開発をしているのは寝具メーカーの
西川リビング、京都市立芸術大学の池上俊郎教授とJAXA。個室感覚の繭(まゆ)のような
形状の寝袋だ。ISS内は、室温22度、湿度40%程度にコントロールされているが、布団を
掛けて寝ることに慣れた日本人宇宙飛行士からは「睡眠時に、寒く感じることがある」との
意見も。そこで暖かい空気を逃さない仕掛けで、暖かさと保湿性を持たせた。
さらに、無重力空間では、「ニュートラル ボディ ポジション」といって寝ている時に自然と
腕が上がり、ひざが曲がる姿勢になるため、寝袋にもマチをつけ立体的にデザインにし、腕が
出せるように仕上げている。この「SPACE FUTON」、宇宙飛行士一人一人の体型に
合わせたオーダーメードだ。
「宇宙靴」「宇宙ふとん」は、3月21日に大阪国際会議場で開催される「くらしのなかの
宇宙ブランド」で展示される。当日は「衣・食・住」と宇宙とのかかわりを、宇宙日常服や
宇宙カレーをはじめとする宇宙ブランド品の展示・販売で紹介するほか、プラネタリウムの
上映などもある。問い合せは開催事務局支援窓口(TELはソース参照)
ソースは
http://mainichi.jp/select/science/news/20080319mog00m040071000c.html 宇宙靴
http://mainichi.jp/select/science/news/images/20080319org00m040021000p_size5.jpg SPACE FUTON
http://mainichi.jp/select/science/news/images/20080319org00m040022000p_size5.jpg 依頼を受けてたてました。