兵庫県漁業協同組合連合会は15日、神戸市沖の明石海峡での衝突事故で、沈没した貨物船
からの油流出によるノリ漁中止によって、被害額が40億円に達するおそれがあることを
明らかにした。同県では38漁協がノリ養殖をしているが、現場周辺では養殖網に油が付着する
などし、全国トップクラスのノリ生産量を誇る明石市の全5漁協に、神戸市漁協、仮屋漁協
(淡路島)を加えた計7漁協が漁の中止を決めている。
同漁連によると、ほかに2漁協が一部海域での漁の中止を決定し、さらに6漁協が中止を
検討中という。ノリの漁期は例年11月ごろから翌4月末まで。中止を決めた7漁協の
昨シーズンの生産額は計約67億円で、今シーズンのこれまでの出荷額が計約27億円という。
他漁協の漁の動向によっては、さらに被害額が拡大するおそれもあるという。
2月末に解禁されたイカナゴの新仔(しんこ)漁も、事故現場周辺では漁を自粛中だが、
自粛区域外で漁獲し、淡路島の漁協が水揚げしたイカナゴから油のにおいがしたため、
周辺の11漁協が15、16両日の漁の自粛を決めた。
同漁連の小松司会長は「漁業就労が一日も早く回復できるよう、沈船の撤去などを
(国などに)求めていきたい」と話した。
▽News Source asahi.com 2008年03月15日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200803150091.html ▽兵庫県漁業協同組合連合会
http://www.jf-net.ne.jp/hggyoren/ ▽Press Release
明石海峡における貨物船沈没事故に係るイカナゴ漁の対応について
http://www5.jf-net.ne.jp/hggyoren/ikanago/abura-1.pdf