【空港】静岡空港の略称『FSZ』 富士山の頭文字から『F』[08/03/14]
静岡空港大作戦:1年以内ニ達成セヨ/1 指令1 需要予測を達成せよ /静岡
http://mainichi.jp/area/shizuoka/archive/news/2008/03/12/20080312ddlk22020235000c.html 09年3月の静岡空港開港まで、いよいよ1年。既存の飛行場の転用ではなく、更地から造る空港としては静岡空港は「国内最後の空港」になる見通しだ。
だが空港という県の一大「作戦」を成功させるためには、数々の難しい「指令」をクリアすることが必要だ。需要や路線、交通アクセス、周辺の振興策など、
作戦成功のための条件を探った。
◇交通インフラ充実アダ−−繰り返される下方修正
「開港当初は難しくても、5年後には達成できる」。今年1月、石川嘉延知事は空港利用者数について、「開港時から県の予測(需要予測)通りに達成できる」
としてきた自身の発言を“下方修正”した。
当初、年間178万人と試算された静岡空港国内線の需要予測は、開港が近づくごとに2回修正され、現在では106万人。それも、日本航空と全日本空輸が
就航する3路線(那覇、札幌、福岡)だけでは搭乗率100%でも6割弱。開港半年後から運航する鈴与の分を加えても9割足らずにしかならない。実際の
搭乗率が70%程度にとどまることを考えると、「県で描くバラ色の未来」(航空会社)の達成はきわめて難しくなっている。
需要予測に近づけるためには、就航を見込んでいながら、いまだにどの航空会社も手を挙げていない鹿児島便の誘致が最低条件だ。
2月5日、鹿児島を静岡の県議、空港周辺の首長らがトップセールスに訪れた。3年後に福岡まで新幹線が開通する危機感を持つ鹿児島空港に、静岡便の
魅力を提案するためだ。
だが鹿児島地域経済研究所、森山陽雄社長は「鹿児島から見ると富士山は山梨、熱海・伊豆は神奈川、浜松は愛知と誤解するほど、静岡とは交流がない」
と指摘する。毎日新聞が鹿児島市内などで市民53人に実施したアンケートでも、通過を除き静岡を訪れたことがある人は4人だけで、位置すら怪しい人は
半数近くに上った。需要の不透明さに鈴与以外の大手航空は就航に二の足を踏んでいる。
“一発逆転策”は、羽田や中部国際、伊丹など各方面に乗り換えがしやすい「ハブ空港」への路線を確保することだ。都道府県管理の53空港の離島を除く大半は、
利用者の過半数をハブ空港便が占める。
ところが静岡空港の場合はこの手法が使えない。東京、名古屋に近く、新幹線や高速道路が充実している点があだになる。航空会社は「福岡便でやっと新幹線と
戦える」(日航)、「新幹線と競合しないよう新千歳と那覇を選んだ」(全日空)と話す。交通インフラに恵まれた静岡の利点が、皮肉にも需要予測達成を難しくしている。
静岡空港大作戦:1年以内ニ達成セヨ/2 指令2 路線を増やし維持せよ /静岡
http://mainichi.jp/area/shizuoka/archive/news/2008/03/13/20080313ddlk22020196000c.html ◇大手の競争、県の利に−−逃げ足止める補助金も
「全く頭になかった」。2年前から県と協議を続け、あとは正式表明のタイミングだけと思っていた日本航空の担当者は、ライバル・全日本空輸の
動きに心底驚いた。昨年7月、全日空が突然、那覇、札幌便の就航を県に表明したのだ。両社の担当者が霞が関で顔を合わせても、互いに
「静岡は難しいね」と言うだけで、全日空の動きは見えなかった。寝耳に水の表明だった。
一方の全日空は「一度も『飛ばない』なんて言ったことはない。当然内部で検討はしてきた」とする。しかし社内でも直前まで就航表明はトップシークレット。
県への事前の根回しもなく、表明後の会見で久保小七郎副社長は「優遇策の密約などない」と釈明する異例の展開だった。
青くなったのは日航のメンツをつぶした形になった県だ。岩崎俊一空港部長は全日空の就航表明翌日、「飯ものどを通らない」と疲れ切った様子で
こぼした。日航は「計画を白紙に戻し、しばらく県とは音信不通になった」という。その後、水面下での折衝で何とか関係を回復し、日航は同10月末に
札幌、福岡路線の就航を発表。県が同11月、全日空より先に日航と空港キャンペーンを実施し、西松遥社長と花森憲一副知事が並んで街頭に立った。
大手の競争で一時は混乱に巻き込まれた県だったが、結果的に得をしたのも県だ。ビジネス路線の福岡便を日航、観光客中心の那覇便を全日空と
すみ分けができた。さらに両社が飛ぶ札幌便でも、全日空は同じ日に那覇便で使った機体を使うため午後便になる可能性が高く、
「県民が利用しやすいようにダイヤを組む」とする日航が午前便になれば、時間帯ですみ分けができる。
ただ、航空会社からは「生む苦しみ(就航)より、生んだ後(路線維持)の方が苦しい」との声がもれる。各社とも「富裕層の多い静岡は大化けする
可能性がある」と期待する一方で、航空となじみがなかっただけにリスクも高い。単価が稼げるビジネス便なら6割、安い団体旅行中心の観光便なら
7割の搭乗率が採算ライン。燃料高騰や競争激化で、採算割れとなれば逃げ足は早い。県はさらに大手の競争が増便につながらないか機会を
うかがうとともに、搭乗率が落ちる閑散期などの旅行代金値引きに補助金を出すなどして、路線維持にも力を入れる方針だ。
静岡空港大作戦:1年以内ニ達成セヨ/3 指令3 ライバル空港に競り勝て /静岡
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20080316ddlk22020070000c.html ◇外国人へアピール強化−−頼みの観光資源に弱点も
ライバルは静岡空港−−。自衛隊百里飛行場を官民共用化して09年度に開港する茨城空港(茨城県小美玉市)は、東京との位置関係や
温泉などの観光資源が似ている静岡空港をライバル視し、独自色を出そうと必死だ。
「静岡や茨城は東京から中途半端な位置。価格が大空港と同じミニ成田、ミニ羽田を造っても生き残れない」。茨城県はそう言い切り、
大胆に「国内初のローコスト空港」にかじを切っている。
普通の空港にあるターミナルの搭乗ブリッジをなくし、1階から航空機に直接乗り込む形にすることで人員や機器を節約して、航空会社が
払う空港使用料を安くする。狙いは海外の格安航空会社を誘致することで、「成田の発着枠はいっぱい。そこからあふれた国際線を受け入れる
首都圏のセカンダリー(2次的)空港になる」と意気込む。
一方の静岡空港は、あくまで価格に頼らず、大手航空会社の便を中心に運営する「正攻法」でいく構えだ。県は「茨城は東京頼み。
静岡は世界的な観光資源と、東西両方の大空港に近いことが強みになる」と説明する。
県の戦略はこうだ。外国人観光客は成田や関西から入国し、東西の観光名所をめぐるパターンが多い。これでは移動距離が長く、ゆっくりと
日本らしさを堪能できない。そこで、国際的に知名度がある富士山や伊豆の温泉がある静岡から入国してゆっくり楽しんでもらい、
成田か中部から出国してもらう−−というイメージだ。
外国人へのサービス強化のため、今年2月には全国に先駆けて「地域限定通訳案内士」に24人を任命。英語・中国語・ハングルで
県内を観光案内してもらい、静岡の良さをアピールする構想だ。また、民宿などで使う外国語の文例や表示をまとめたデータCDも整備し、
受け入れ態勢を強化している。
ただ弱点はそもそもの観光資源にある。県観光コンベンション室は「富士山以外に国際的に知られているのは伊豆だけ。浜名湖など西部の
集客力強化が不可欠」とする。また正式名称の「富士山静岡空港」に入る富士山でさえも、県空港建設事務所の観測(06〜07年)結果によると、
空港予定地周辺から見えたのは年間72日(19・7%)しかなかった。厳しい空港間競争に勝ち残り、外国人観光客が「また使いたい」と思う空港に
なれるかどうかは未知数だ。
126 :
名刺は切らしておりまして:2008/03/19(水) 11:25:33 ID:VU8o47j8
静岡空港大作戦:1年以内ニ達成セヨ/4 指令4 地元での活用策を探れ /静岡
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20080318ddlk22020162000c.html ◇見えぬ「空港の町」−−期待の貨物「少しずつ実績」
2月下旬、空港敷地の3分の2がある牧之原市の市役所前に、飛行機の大きな像が現れた。設置したのは地元商工会などが設立した「空港応援団」。
団長の加藤隆・榛原町商工会長は「観光客の足を止める場所もなく、このままでは素通りされてしまう」と観光と企業誘致への自治体の努力を訴える。
2月上旬、空港周辺5市町の首長は鹿児島空港がある鹿児島県霧島市を訪ねた。前田終止市長は企業誘致の成功例などを示し、「行政が死ぬ気で
努力しなければ地元は駐車場とラブホテルだけになってしまう」と説明。だが東名高速、新幹線がある静岡の首長らは複雑な表情だ。ある首長は
「高速道路を生かした方が企業は誘致しやすい」と本音を漏らした。
08年度の周辺市の予算案でも「必死さ」を示す空港関連事業は見当たらない。コンベンション施設誘致などを表明している島田市も、
「茶を使った交流が図れれば」(桜井勝郎市長)程度。牧之原市も鹿児島県南九州市と連携した茶の拠点作り構想を発表したが、肝心の
路線就航が未定では動きようがない。
待っていれば地元にカネが落ちるわけではなく、何らかの仕掛けが必要だ。県の試算では、空港で県内総生産556億円増、雇用8000人創出の
経済効果が生まれるという。県内経済界からは特に国際貨物に期待する声が上がっている。
国土交通省は国際貨物の空輸量は05年度の約337万トンから17年度には547万トンに伸びると予測するが、9割は大型の貨物専用機が入る
成田・関西の2空港が占める。静岡空港では貨物便の就航予定はなく、開港時の国際定期便1日1便に積めるのは2〜3トン程度だ。
県は「少しずつ実績を作るしかない」と話す。
空港施設そのものの活用策もこれからだ。能登空港(石川県)では、空港ビルに県の出先事務所などを設け約300人が勤務。会議室も
地元住民に開放し、常に空港に人がいる状態を作っている。「乗降客は空港を通過するだけ。便が少ない地方空港を維持するためには、
地域住民に公民館のように使ってもらう工夫が大切だ」(同県)とする。
一方、静岡空港のターミナルビルは、「民間運営なので維持するためにはコンパクトにするしかない」(運営会社の富士山静岡空港会社)とする。
面積は需要の近い岡山や北九州の7割程度に抑え、テナントも最小限になる見通しだ。活用策については「地域住民とも議論して、
アイデアをいただければ」としている。
127 :
名刺は切らしておりまして:2008/03/19(水) 18:46:39 ID:XpDpKchQ
土建屋に金を落とすのが目的なんだろ。
あとは野となれ山となれだ。
>>123 最初の予測から72万人も減るなんて論外だろ。
甘い見込み予測を出した連中に損害賠償請求をしてもいいくらいだ。
128 :
名刺は切らしておりまして:2008/03/20(木) 19:37:39 ID:1bV9LQkg
静岡空港大作戦:1年以内ニ達成セヨ/5止 指令5 アクセスを向上させろ /静岡
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20080320ddlk22020078000c.html ◇実現不能の新幹線新駅−−新設道路と駐車場に期待
JRダイヤが改正された15日の午前6時41分、静岡駅下り線ホームにワニの頭を思わせる形の新幹線が止まった。
史上初の新横浜発「ひかり」。これまで「のぞみ」に使ってきたN700系が投入され、名古屋や新大阪で名古屋発の
後続ののぞみに乗り換えれば午前10時45分に博多に到着できる。JR東海は「新幹線と航空機では運ぶ人数が大違い。
空港との競争は考えていない」と説明するが、航空各社は「(日本航空が就航させる)福岡便への対抗意識が見え見え」と
受け止めている。
他県の関係者が静岡空港で注目するのは空港直下を通る新幹線だ。静岡をライバル視する茨城空港も「新幹線で行けるように
なれば脅威」と話す。静岡県は00年、地下に空港新駅ができれば空港利用者数は22%増えるという試算を発表し、JRに新駅を
作るよう再三要請している。
だが当のJRは「空港新駅はあり得ない。静岡県民のためだけに東京−大阪間の輸送量は減らせない」と強く否定し続けている。
空港直下に新駅を作ると、次の掛川までの距離は15・5キロ。都内を除き全国で最も短い三島−熱海間の15・9キロより短くなり、
スピードが上げられなくなるため、列車の本数が減ってしまうのだ。JRは「空港地下のトンネル強化は県と協力するが、空港については
一定の距離を置く」と強調する。
県が代わりに期待するのが道路アクセスの良さ。今月初旬に県が企画した初めての県外向け空港ツアーに参加した甲府市民らは
「これまで羽田空港を使っていたが、静岡は予想以上に近かった」と口々に話した。空港は東名高速・吉田インターチェンジから15分、
建設中の国道473号バイパスが完成すれば相良牧之原インターからは10分で行けるようになる。さらに長野県と静岡市をつなぐ
中部横断道路が全線開通すれば、甲府市内からの時間は現在の3時間10分から70分も短縮される。
武器になるのは約2000台の無料駐車場。県が手本にしたのは3100台の駐車場を持つ岡山空港だ。航空運賃値下げを追い風に、
東京−岡山間は96年度には2割だった航空機のシェアが、03年度には航空機がJRを逆転した。JR西日本は岡山駅に
東京往復利用者限定の無料駐車場増設を強いられた。ただ福岡便で新幹線と競うことになる日本航空は「羽田や中部を使う
県東部・西部の客ではなく、中部と山梨の新幹線を使っていた客を奪わないと意味がない」とクギを刺している。