★イオンがM&A戦略大転換 ダイエー獲得へ出資引き上げか
イオンが積極的なM&A(合併・買収)や新規出店による規模拡大路線の転換を打ち出した。
これまでは圧倒的な規模を背景としたコスト削減やバイイングパワー(購買力)を貪欲(どんよく)に
追求してきたが、国内市場のパイ縮小に備え、収益重視へと舵を切る。特にM&A戦略では
出資比率を3分の1以下に抑える“緩やかな連合”を見直し、資本の論理も活用する。流通業界や
株式市場では、丸紅と二人三脚で再建を進めるダイエーの行方に注目が集まっている。(飯田耕司)
「現状のグループ売上高6兆円は十分な規模。今後は収益重視に大きく舵を切る。M&Aも
収益力があり海外展開も可能な中核事業に絞る」
イオンの豊島正明専務執行役は2月28日に開いた3カ年の新中期経営計画の発表会見で、
こう言い切った。
イオンは世界の小売業で10位以内を目指す「グローバル10(テン)」を掲げ、拡大路線を
邁進(まいしん)してきた。「10兆円の規模は必要」(岡田元也社長)としてきただけに方針の
大転換といえる。計画ではM&Aや新規出店投資を直近の3年間に比べ20〜30%削減すると
同時に、投資の「選択と集中」を進める考えだ。
積極的なM&Aで160社に拡大したグループ企業も、夏にも設立する持ち株会社の傘下で
11の中核事業に分け、大胆な再編・統合を検討する。
イオンのM&Aは、買収先の「自主独立の尊重」を尊重してきた。旧ヤオハン(現マックスバリュ東海)や
マイカルの例でも、スピード再生が再上場につながった。
一方で、共同仕入れや商品の共通化などの相乗効果が部分的にとどまる弊害もある。出資比率が
3分の1以下も多く、資本の論理も効かない。
典型が約15%出資するドラッグストアチェーン、CFSコーポレーションの“謀反”だ。アインファーマシーズ
との統合によるCFSのグループ離脱は株主総会で否決したが、委任状争奪戦で多大な労力を強いられた。
M&A戦略見直しの最大の焦点はダイエーだ。
株式市場では、「筆頭株主の丸紅が主導権を握り、思い通り再生できないジレンマがある。
8月の持ち株会社移行前に過半数まで株を買い増すのでは」(証券アナリスト)との観測も出る。
イオンは2月、ダイエー株を市場で買い増し、出資比率を約19%に引き上げた。今月からイオン出身の
川戸義晴会長が営業担当の責任者に就いたほか、イオンの独自ブランド商品を本格導入し、てこ入れを
図る方針だ。
社内には「再建はスピードが重要」との声も出る。CFS問題で、資本の論理の必要性を痛感したイオンが、
一気に“ダイエー獲り”へと動き出してもおかしくない。
ソース:MSN産経ニュース(2008.3.10 18:45)
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080310/biz0803101846019-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080310/biz0803101846019-n2.htm http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080310/biz0803101846019-n3.htm 関連スレッド:
【流通】イオン、値上げ凍結を延長…安全・安心をさらに追求 [08/03/07]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1204990961/