★ニッセー、車用歯車分野に進出・スウェーデン社と共同で
圧力で金属を成形する転造機の専業メーカー、ニッセー(山梨県大月市、新仏利仲社長)は自動車用
歯車製造装置の分野に進出する。これまでは自動車用に対応する強度を得るのが難しかったが、
スウェーデンの鉄粉メーカー、ヘガネスが開発した新素材で改善した。切削などに比べて加工コストを
減らせる点を武器に、ヘガネスと共同で自動車部品業界に売り込む。
金属の粉末を金型に入れて固めた後に焼き上げる「粉末焼結」という技法に対応する。焼結後に
転造機で部品を転がしながら表面に圧力を加えることで強度の高い部品を製造できる。
粉末焼結は金型さえつくれば、その後の工程は高い技術力を必要としない。加工時間も短く
切削加工に比べてコストを削減できる。ただ強度では劣り、自動車のトランスミッション向けの
歯車には対応していなかった。今回、ヘガネスは鉄に炭素やモリブデン、クロムを加えた粉末
焼結専用の素材「アスタロイ」を開発。諏訪東京理科大学の竹増光家教授との共同研究で、
ニッセーの転造機で仕上げることで切削加工と同等以上の強度と精度を得られることを確認した。
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20080305c3b0504305.html