【証券】インタビュー:日本に新興株式市場は一つでいい−JPモルガン・アセット・マネジメント 太田氏[08/02/28]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1依頼22@かくしおまコンφ ★
★インタビュー:日本に新興株式市場は一つでいい=JPモルガン・アセット 太田氏

[東京 27日 ロイター] JPモルガン・アセット・マネジメントで中小型株式運用チームを率いる
太田忠シニア・ポートフォリオ・マネージャーは日本の新興株式市場を統一すべきだと提言する。
成長が期待できない企業が多く流動性も乏しい札証アンビシャス、名証セントレックス、
福岡Q─Boardは廃止し、ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレスを統一。新規公開(IPO)と
退出の統一された基準を作り、年間20社程度の優良な企業だけにIPOを絞らなければ失われた
信頼は取り戻せないと警告する。27日、ロイターのインタビューに答えた。

──今年に入ってIPOは公開価格割れが続いている。

「初値が公開価格を割れたかどうかに大きな意味はない。公開価格とのかい離率が大きいからと
いって大成功だったり大失敗だというが疑問だ。公募に当たった人は関心があるかもしれないが、
投資家にとって意味はない。これまでのIPOの価格形成は最初に実態の伴わない高い株価が付いて、
そのあと長期にわたり株価が下落するというのが一般的だ。公開価格割れが続いたことで、
宝くじ的な感覚で買う人が慎重になるならいいことだろう」

──IPO人気が落ちているということではないのか。 

「最近のIPO企業の実力からみれば、まともな株価形成といえるのではないか。パブリックな市場に
株式を公開する資格のある企業が少ないのではないかという問題提起がされているにもかかわらず、
利益も将来もないような企業が昨年もたくさん出てきた。今年IPOの数が少なくなったとしても、
パブリック企業の資格がないような企業を無理やり公開させるよりはいい」

「ここ数年、年間のIPO企業は200社近いが、そのうち投資できる企業はせいぜい20社程度だ。
問題のある企業が株式公開されて、その後株価が急落することで多くの投資家は損を受けてきた。
きちんとした企業が年間20社程度出てくれれば十分だ」

──問題ある企業のIPOを排除するためにはどうすればいいか。

「札証アンビシャス、名証セントレックス、福岡Q─Boardは即刻廃止すべきだ。実力がないのに
創業者利益だけを追求する企業、IPOの実績を積みたい証券会社、IPO企業の数を競う新興市場、
これらが一体となってパブリック企業たる資格がないような企業を公開させている」

「ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレスもひとつに統一されていい。普通、競争することでレベルは
上がっていくが、この3市場は競争することでレベルの低い企業を株式公開させるようになってしまった。
IPO企業の数だけを競う弊害だろう。ひとつの市場に統一し、IPO基準もひとつにすべきだろう」

>>2-5につづく)


ソース:Reuters(2008年 02月 28日 07:59)
http://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPnTK009374620080227