【経済政策】乳牛1頭に1万6500円助成、飼料高騰で政府・自民が支援策[08/02/22]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1やるっきゃ騎士φ ★
政府・自民党は21日、2008年度の畜産・酪農農家に対する支援策をまとめた。

牛乳用の牛を育てている酪農家に1頭当たり1万6500円助成するなど、
飼料価格の高騰の打撃を緩和する対策が柱だ。

総額は1871億円(うち約200億円は09年度向け)で、08年度分は前年度より
400億円以上多い。ただ、対策は緊急避難的な色彩が強く、日本の畜産・酪農が
輸入飼料に依存する体質の改善は依然、課題として残ったままだ。

政府・自民党は畜産・酪農対策を例年、3月にまとめているが、飼料価格の高騰で酪農家
などが受けている打撃は大きく、将来の総選挙対策という狙いも重なって、今年は一か月
前倒しで決めた。

対策の目玉は、牛乳用の牛を育てている都府県の酪農家に対する
1頭当たり1万6500円の助成策だ。

自前で飼料用作物を生産するなど生産性を向上させる3か年計画をたてた酪農家が対象
だが、特例措置もあり、飲む牛乳を生産しているほとんどの酪農家が対象になる見込みだ。

飼料(配合飼料)の価格はこの1年半で約3割も上昇した。4月に予定されている乳業メーカー
への販売価格引き上げと合わせ、酪農家が受けた打撃をある程度は吸収できるはずだ。

バターや脱脂粉乳に使われる加工用の牛乳を生産している北海道の酪農家に対しては、
すでにある補給制度を見直し、現在1キロ・グラム当たり10・55円の補給金を
11・55円に引き上げる。飼料価格高で生産コストが上がった分を反映させた。

食肉用の牛を飼っている全国の畜産農家に対しては採算割れとなった金額の一部を補てん
する。育てた肉牛の販売価格が生産費(農家自身の労働コストを除く)を下回った場合、
差額の6割を国が支払う。

日本の飼料自給率は25%にすぎないため、飼料価格は高騰が続く海外トウモロコシ相場の
影響を大きく受ける。一方、牛乳や肉の販売価格は、国内の市場や乳業メーカーとの交渉で
決まるため、畜産・酪農家はコストの増加分を販売価格になかなか転嫁できず、経営が圧迫
されている。

牛乳の生産者団体で作る中央酪農会議の見通しによると、全国約2万7000戸の酪農家の
うち、今年度は廃業する酪農家が1000戸を超えそうだ。

政府・自民党は、今回はあくまで「緊急対策」だと考えている。自民党は今後の検討課題に
<1>飼料用米の普及による飼料の自給率向上<2>流通大手が値上げを認めないことが
「優越的地位の乱用」にあたるかどうかの調査<3>配合飼料の価格安定対策--をあげる。

ただ、農水省によると、飼料用米の生産コストは輸入トウモロコシ価格の5・3倍もある。
収穫量が多い飼料米の品種開発や生産技術の改善による大幅なコスト引き下げが必要で、
短期的に解決するのが難しい。畜産・酪農の危機はまだ続きそうだ。

ソースは
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080221-OYT1T00675.htm
依頼を受けてたてました。