【コラム】将来は基軸通貨となるCO2 (宿輪 純一の「逆張り経済論」)[08/02/22]

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1やるっきゃ騎士φ ★
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現在、温室効果ガスの排出権取引は、二酸化炭素(CO2)が中心で、CO2の排出権取引は
欧州(市場)が圧倒的な量を占める。もはや世界中で取引が成立していて、国や企業同士の
相対取引や、取引所で行う市場取引もますます増えている。

CO2取引の近未来の姿を想像すると、実はCO2はドルやユーロのような世界通貨(国際通貨)に
近い性質を持つと考えられる。そこで今回の「逆張り経済論」は、近い将来にCO2がドルに
取って代わる基軸通貨になる可能性を考えてみたい。

■世界中の通貨と交換できるCO2
世界中でCO2が取引対象になっているという事実は実に驚くべきことだ。欧州でCO2を
売買する際の対価は最終的にはユーロであり、米国では米ドル、日本では日本円。
CO2は世界で様々な通貨と取引がされている。

発想を変えてみると、CO2は世界で様々な通貨と取引がされているので、世界中の通貨と
交換できる。CO2を売れば、各国の通貨が手に入るわけだ。逆に見れば、CO2そのものが
国際的に通用する世界通貨としての役割を果たしていると考えることができる。

法的通用力を持った貨幣は通貨と呼ばれ、通貨には基本的な役目が3つある。シンプルに
言えば、ものさし(価値基準)、資産(貯蔵手段)、支払い(決済)手段だ。

通貨は、基本的には国家の概念と一致する。欧州で通用するユーロは特殊だが、多くの通貨は
国の概念と結びついている。そのため世界通貨としての広がりを持つには、他の国でも
使われる必要がある。

■鉱物に近いCO2
世界通貨のうち主要なものは、国際経済学では基軸通貨と呼ぶ。かつて基軸通貨はポンド
だった。それがドルになり、そして現在ではドルからユーロへ移行しつつあると考えられ
始めている。

ポンドより以前の世界通貨は「金」であったとも言われている。金は世界中で価値が認められ、
近代のコインは一般的に「銀」が使われていた。ドルのマークに$が使われている理由をご存じ
だろうか。諸説ある中でも、シルバー(Silver)のSが語源と言われている。メキシコ銀貨を
持ち込んだスペインのSという説もあるものの、シルバーというキーワードは一緒だ。

紙の紙幣は国(中央銀行)が保証している価値なので、国が崩壊してしまうと単なる紙に
戻る。金や銀のような鉱物が通貨の役割を果たしてきたのは、鉱物自体に価値があるためだ。

続きます。ソースは
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080204/146343/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080204/146343/?P=2
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080204/146343/?P=3
2やるっきゃ騎士φ ★:2008/02/22(金) 11:09:33 ID:???
-続きです-
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ではCO2の排出権取引はどうだろうか。今やCO2も世界中で売買されるほどに価値があり、
その点でCO2は鉱物にも近い性質を持つ。従ってCO2は事実上、世界通貨の性質を持って
世界中に広がり、しかも価値(価格)は年々上昇している。通貨としては強く、世界通貨や
基軸通貨になる条件として有利な位置にある。「円の国際化」政策のように、特定の通貨を
わざわざ世界に流通させる努力をしなくても済む。

そう考えると、CO2も通貨の基本的役割が果たせる。ものさしとしての価値交換という意味
では、CO2は世界中で交換が行われている。資産(価値貯蔵)という意味では、運用(金融)商品
となり始めていて、取引市場に資金の流入が続いている。また、市場取引を通じて価格が
決められている。「CO2本位制」は可能なのだ。

もちろん厳密に言えば、金や銀は鉱物として「正の価値」があるが、CO2は「負の価値」が
あるという違いがある。しかし、もともと通貨は中央銀行が発行した社債とも考えられる。
日本の場合は「日本銀行券」と書いている。つまりは中央銀行の社債=借金である。

中央銀行の借金である通貨は日本銀行が発行するが、国の借金である国債は財務省が発行
する。どちらも国(当局)の借金(国民への負債)である。国債と通貨の差は、国債が期限と
金利がある借金なのに対し、通貨は期限も金利もない借金と言うことができる。いずれに
しても通貨とは負債なのだ。こう考えれば、排出権も通貨も、公的管理されている負の価値
の塊と言うことができる。

■CO2変動相場制も
CO2の排出枠はドルやユーロや円と交換されるが、世界経済は生き物のように変動するので、
交換レートを固定化するのは無理が多い。為替レートのように、一国の経済状況に応じて
CO2の価格は変動することが自然だ。

例えば、A国の景気が良くなってCO2の排出量が増えると、温室効果ガスであるCO2の排出枠を
購入しなければならなくなって、CO2の値段が高くなる。その一方で、B国では景気が後退して
CO2の排出量が減り、CO2の値段が下がるということも考えられる。

つまりCO2本位制になると、景気の良いA国の通貨はCO2に対して弱く(安く)なり、景気の
後退したB国の通貨はCO2に対して強く(高く)なると考えられる。すると、世界の国々は
CO2という世界通貨で結び付けられた変動相場制が登場することになる。

さらに言えば、CO2の価格変動がそれぞれの国の景気変動に対してバッファー(緩衝)の
役割を担うことも考えられる。A国ではCO2が高くなるので景気過熱を抑制する効果を持ち、
景気が悪いB国ではCO2が安くなるので経済活動を活発にできる。

CO2は金や銀と同様に鉱物的な性質も持ち、CO2の排出枠が増えれば当然値段は下がる。
CO2の排出枠を海外に売却できる国は、あたかも鉱物の輸出国と同じように黒字が貯まって
いくことも十分想定される。

-続きます-
3やるっきゃ騎士φ ★:2008/02/22(金) 11:09:57 ID:???
-続きです-
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■取引ルールはシンプルが原則
もちろん、課題はいくつかある。まず、環境問題全般に言えることであるがCO2は負の価値を
持っている以上、取引の拡大には環境改善を進めるという仕組みがビルトインされて
いなければならない。さらに、各国に存在する取引所(市場)の取引ルールが標準化
されていなければならない。

現在、為替(通貨)市場の取引にはシンプルなルールしかない。通常2日後に決済日を迎え、
相手国通貨の決済はその国の中央銀行(日本円だと日本銀行)で最終的な決済を行うという
だけだ。CO2取引を普及させるには、為替市場と同様に取引ルールはシンプルでなければ
ならない。

こうした課題を克服すれば、近い将来に世界中のニュースで、CO2の価格が毎日流される
時代がやって来るかもしれない。それは良いことだ。為替レートや株価、原油の値段などは、
体に例えれば体温、血圧と同じなのかもしれない。CO2の値段が上がっていくのは、
地球環境のバロメーターとして十分な役目を果たせる。世界中の人が環境についての情報や
問題意識を共有できる。

■京都から洞爺湖へ
1997年12月に京都で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止
京都会議、COP3)で議決した京都議定書は、地球温暖化を防止するため、先進各国の
温室効果ガス排出量に上限を定めた。だが米国は政府が主導して統一的な削減を行わず、
議定書を離脱した。それでも米国では、フォード・モーターやデュポンなど民間企業
・団体がシカゴ気候取引所(CCX:Chicago Climate Exchange)を創設した。
市場参加者は自ら排出量の削減義務を負う。

現在検討されている「ポスト京都議定書」の枠組みは、世界の将来に重要な意義を持つ。
環境改善を進めさせる仕組みは、京都議定書のような毎年の削減目標でもよい。米CCXの
ような自主的な削減の枠組みでも構わない。このような対応が、何らかの形で環境改善に
つながっていることが大事なのだ。

久しぶりに日本で今年7月に開かれる北海道洞爺湖サミットは別名「環境サミット」と
呼ばれ、環境問題は世界的な関心事である。今回のサミットが日本にとって意味があるのは、
温室効果ガスのCO2取引の取り組みが遅れている日本に対する世界の見方を払拭できるか、
さらには新たな枠組みに本気で取り組むのかという点だ。洞爺湖サミットまでにどれだけ
取り組みを進捗させられるか、日本は世界的に注目されている。

シカゴ気候取引所のリチャード・サンダー会長と面談した時、彼が語った言葉が
忘れられない。「孫と子のためにCO2(排出権)取引を!」。

(本稿は個人的な意見であり、特定の組織とは関係がありません)

-以上です-
依頼を受けてたてました。
4unsigned char *Aznable ◆f5/IN.AGB. :2008/02/22(金) 11:12:46 ID:d+TdAGN1
そのうち技術開発が進んでCO2の価値が下がるときがくるだろうね。
5名刺は切らしておりまして:2008/02/22(金) 11:24:28 ID:IJy00eVP
日本は自国で排出量減らすのと、排出権買うのとではどっちが安くすむのだろう。

安いほうを選んだほうが、その分余計に地球温暖化対策に回せるから有利なのだ。
6名刺は切らしておりまして:2008/02/22(金) 11:24:39 ID:c1cqtLjz
んじゃ金星は宝の山ってことか
7名刺は切らしておりまして:2008/02/22(金) 18:45:21 ID:IJy00eVP
>>6
> 金や銀は鉱物として「正の価値」があるが、CO2は「負の価値」があるという違いがある。
宝の山じゃなくて借金の山です
8名刺は切らしておりまして:2008/02/22(金) 22:04:00 ID:cUZS0rHw
>>5
自国で減らせば、その分省エネ技術や関連産業が育つ。
外国から、排出権買うのは、金を払うだけで何も残らない。
9名刺は切らしておりまして:2008/02/23(土) 11:09:55 ID:7B9VFJ/a
お金は造幣局等でしか作らず、中央銀行が量を把握・コントロールできるから通貨として成り立ってるんだろ。
CO2(排出権)を通貨とするなら、排出量の完全なる監視が必要になるんだが。

隠してCO2排出するのは通貨の偽造と同じことになるだろ。
10名刺は切らしておりまして:2008/02/27(水) 02:30:30 ID:MmOEQJO9
というか排出量そのもは統計的に把握されているのでそもそも隠して排出なんてあり得ない
だから排出権取引が可能になっているってことが分かっていないと理解できないだろうな
しかもそれで英国はCO2銀行まで作ろうと言っているんだが
11名刺は切らしておりまして:2008/02/27(水) 11:01:12 ID:zU/3NwvS
米国債を大量に購入しているのが現状ですが、その結果日本の財政赤字を高進させて
アメリカ政府に国債を販売した結果である大量の現金収入を与えています。
国債を売ることでアメリカは財政赤字を悪化させているように見えはしますが
為替対策で買われた米国債は、たとえ換金されたとしてもアメリカの外へでることはできないものなのです。
ドル安は外貨高とイコールですから、アメリカに一旦投資してしまった国は末永くその投資を継続せざるを得なくなってしまうのです。
アメリカ政府には、国債を売った現金収入を自由に使う権利が発生しています。
反対に米国債を買った国は、財政赤字の状態を維持することを余儀なくされるようになってゆくのでした。
日本政府と日銀及び財務省は、実際のところこのような結果になることが分かっている行為を
当然のことのようにして、これまで延々と続けてきたのでした。
アメリカにとっては貿易赤字の相手国に国債を買わせることになるため
貿易収支の損失を貿易外収支に振り替えて当該国から供与させることができました。
貿易黒字で生じた収益を増加させている国では、回収することができない米国の債券を買わされていたにも拘らず
帳簿の上で見かけの収益を積み上げて、それで収支のバランスを健全化した積もりになっていたのでした。
外貨準備高が国家予算に匹敵するほどにまで増大してしまったのは、円高になる度に米国債を買い続けてきたからです。
この債券は長期債であるため、最長三十年を過ぎた後で、しかも円安になった時でなければ、売却することができないものなのです。
仮に売ることができたとしても、その時点で円高になってしまうため、日本の在外資産はアメリカに永く留まらざるを得なくなっているのでした。
日本がもし金を買い続けてきていたら外貨準備高は大きく減っていただろうと思われます。
そして円高になればなるほど、少ない円でより多くの金を買うことができていた筈なのです。
金を実際に動かす必要は今のところありませんが、日本の資産だけが増えるようになる結果
アメリカが資産の海外移転を凍結してしまう懼れがどこかで生じるかも知れないのです。
だから浮遊資産等は、できるだけ多くを、早く、国内に戻しておくべきだと言わなければなりません。
日本に金が集まってくるようになると、国内に金の取引市場が生まれることでしょう。
国家予算に匹敵する金を日本のエージェントとなった組織が管理すると、金の決済を円で行えるようになるのです。
(ワシントン合意の制約にはしかし、十分留意しなければなりません)
売り手市場になる訳ですから、金の欲しいところには円で売ることができるでしょう。
このことは円高になることを意味しますが、金の取引に関する限り、ドル安は大きなメリットになるのです。
より多くの金が、安く手に入ることになるからです。
このように配慮することで、円を第二の機軸通貨にシフトすることができるようになるのです。
機軸通貨になると円というローカル通貨の発行権をもつことの意味が変わります。
円を欲しがる国には、いくらでも印刷して供給したらよいでしょう。円の価値が目減りすることはありません。
既に機軸通貨となっているからです。
12名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 11:24:13 ID:D7EtE/Pq
排出権を持っていれば排出権そのもの価値が騰がっていくような
ことはあるのか?

たとえば金の価値が騰がっているように
13名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 11:29:21 ID:XVWWaSAc
100年くらい後に、中世の魔女狩りのような
人類の愚行として語られるのかな。
14名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 13:35:09 ID:BerEKUZq

排出を監視するシステムがザルかつ恣意性があるので


排出権はサブプライムより酷い紙屑に化ける。


買い占めしてる商社は巨額の評価損を抱えて敗者になる。

15名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 13:42:24 ID:PMszJc3h
森林を多数保有しCO2削減に多大なる貢献をしている田舎の時代はくるってことだな
都会は田舎に水とCO2を依存し続けるため、その代わりに道路を作りなさい
16名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 13:42:52 ID:+iHoLIQl
CO2を抑えてメタンを出してたら無意味
17名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 13:53:37 ID:PMszJc3h
都会の奴らはCO2排出量が多いんだから、税金かければいい
いつもは生産性がどうのこのと地方を馬鹿にしているんだから
18名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 13:54:30 ID:BerEKUZq

窒素酸化物

亜硫酸ガス

硫化水素

アンモニア

まで規制しないとザル

19名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 13:54:39 ID:HD/JOrXQ
テクシーの数を半分にすれば劇的に二酸化炭素減らせるよ
20名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 14:02:59 ID:sTtnDffJ
>>11
確か400兆ぐらい持たされてんだよな

ドブに捨てたようなもん(;;゜;ё;゜;;)
21名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 14:40:57 ID:D7EtE/Pq
大都市部での自家用車の所有を禁止すればよい
22名刺は切らしておりまして:2008/03/01(土) 15:25:20 ID:t6/dJxkV
>>12
排出権は既に先物取引されてるよ。
23名刺は切らしておりまして
>>17
むしろ自動車の普及率などでは田舎のほうが高いし

世界を見ても、人口密度が高い国より、低いアメリカ、カナダ、オーストラリアのほうが排出量が多い傾向がある。