2007年の出版物販売金額は前年比3.1%減の2兆853億円になったことが出版科学研究所の調べで明らかになった。
書籍は3.2%減の9026億円、雑誌は3.1%減の1兆1827億円。
書籍は前年の「ハリー・ポッター」の反動と、需要が低価格商品にシフトしたことがマイナスの要因。
雑誌は98年から10年連続のマイナスが続いている。
雑誌販売額の内訳は、月刊誌が4.1%減の9130億円、週刊誌が0.8%増の2698億円。
週刊誌が前年を上回ったのは分冊百科が好調なためで、既存の週刊誌ベースでは約2%の減少という。
雑誌の販売部数は月刊誌が4.0%減の17億2339万冊、
週刊誌は1.6%減の8億8930万冊で、月刊誌の落ち込みが大きい。
必要な特集の時しか買わない読者が多く、号毎の実売率の波が大きくなっている。
既存誌の売行きが低調なことから創刊誌は182点と前年を21点上回ったものの、売行きは低調。
休刊誌は出版科研が統計を取り出してから最多の218点を数えた。
一方、書籍の推定販売部数は、7億5542万冊と前年対比横ばいになった。
前年に引き続き教養新書、文庫、ケータイ小説などの低価格商品が好調だったのが原因。
書籍の販売実績は「ハリー・ポッター」シリーズの新刊が出た02年、04年、06年は前年を上回り、
出なかった年は反動で沈むパターンが続いている。
2003年に『バカの壁』がヒットして以来、教養新書にヒットが続き、昨年も『女性の品格』が200万部を超えた。
文庫本も映画、テレビと連動して好調ながら、売行きの中心が低価格商品にシフトしているため、
販売金額では伸び悩む結果となった。
書籍の新刊平均価格は前年比1.9%ダウンの1152円。
新刊に重版・注文品を加えた出回り平均価格では3.8%ダウンの1131円と、いずれも大幅な値下がりになった。
新刊平均価格は3年連続、出回り平均価格は5年連続の下落。
雑誌の平均価格は前年比0.6%アップの468円とわずかな上昇にとどまった。
月刊誌は0.2%アップの541円、週刊誌は3.0%アップの310円となったが、分冊百科を除くと1.0%アップの295円。
金額返品率は書籍が前年より1.2ポイント増の39.4%、雑誌は0.7ポイント増の35.2%。
雑誌の内訳を見ると、月刊誌が0.9ポイント増の36.7%、週刊誌は0.1ポイント増の29.5%。
「月刊誌の返品率はいよいよ書籍並みになってきた」と出版科研は指摘している。
全国書店新聞 08/02/11号
http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=6301