中国政府が、オンラインビデオ企業を国の支配下に置くという新たな規制は、
既に確立されたWebサイトには当てはまらないと伝えた。
この規制で運命が危うくなるかに見えた中国の民間新興企業に希望を与えた格好だ。
中国広播電影電視総局と情報産業省は声明文で、12月末に発表した規制について明確に説明した。
この規制は、すべてのビデオストリーミングWebサイトを政府が保有あるいは管理することを
規定しているように見えた。この規制は先月末に発効した。
2月3日に発行されたこの声明文は、中国に進出していないGoogleのYouTubeのような国外企業も含め、
中国でサービスを提供したい新たなビデオストリーミング企業にとってはなお障壁となるようだ。
だが、規制当局が急成長するこの分野を極端に締め付けようとしても限度があることも示唆している。
以前にも、テクノロジーに関する徹底的な新規制がそれほど厳しく施行されなかった例はある。
この声明文は、問題の規制が施行される前の「法律に従っていた企業」は「再登録して事業を継続していい」としている。
ポルノを配信したり、「暴力やその他の深刻な違法行為を奨励する」してきたサイトは処罰を受けるとも警告している。
それほど深刻でない違反行為をした企業は、一定期間内に是正しなければならない。
その後、サービス継続のための再申請を行える。
オンラインビデオのストリーミング――ユーザーが直接Webにビデオをアップロードしたり、
ほかのユーザーのビデオを視聴できる――は世界中、特に中国で人気が高まっている。
中国は米国に次いで世界第2位のインターネット人口国。
2億1000万人を超える中国のインターネットユーザーの間ではブロードバンドの普及が進み、
ストリーミングの利用は従来よりも容易になっている。
政府系調査機関China Internet Network Information Centerによると、6月末時点で
中国のインターネットユーザーのうち61%がオンラインでビデオを視聴していた。
米国のYouTubeのように、中国のビデオサイトも、携帯電話で撮影したちょっとした日常の風景から
掲載許可を受けたテレビ番組、短編映画まで、さまざまな映像がアップロードされている。
米国のテレビ番組を、無断で中国語字幕を付けてアップロードしているユーザーもいる。
だがビデオストリーミングは、テレビ番組の内容を厳しく規制している中国当局の懸念を呼んだ。
中国のサイトは一般的に自主規制の下で、政治的に微妙なコンテンツを削除しているが、
時に政府にとって不適切なビデオがオンラインに出回ることがある。
YoukuやTudouなどの中国の大手ビデオサイトは民間企業が運営しており、ベンチャーキャピタリストから
数千万ドルの資金を調達している。これらサイトの創設者は、オンラインビデオへの規制は厳しくなるだろうと話してきた。
中国のインターネット企業はすべて、コンテンツライセンスの取得を義務付けられている。
「前よりは少し明確になった。オンライン(ビデオ)登録申請に必要なものに向けて、前進している」と
Youkuのビクター・コーCEOは語る。
今回の規制は、新規の民間プレイヤーを禁止することで、YoukuやTudouなどの既存サイトを支援し、
急速な再編の進む業界で競争を抑制することになるかもしれない。
ソース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/06/news031.html