【コラム】企業年金無用論 (山崎 元 マネー経済の歩き方)[08/02/05]

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1やるっきゃ騎士φ ★:2008/02/05(火) 16:07:51 ID:???
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企業年金無用論とは、いささか刺激的に過ぎるタイトルかもしれない。だが、
特に将来の給付金額を加入者に約束して企業が運用リスクを取る、確定給付の
企業年金は「ないほうがいい」。また、確定拠出年金についても、企業単位で
制度を用意するのは非効率的だ。

確定給付の企業年金が企業経営にとって負担であることは、低金利と株価の低迷に苦しんだ
数年前にすでに経営者たちのあいだで共有されていた認識だろう。
だからこそ、厚生年金基金の代行返上が行なわれたし、基金を解散して確定拠出年金に移行
した会社もあった。ほとんどの事業会社は少なくとも資産運用が本業ではない。
にもかかわらず、年金の資産・負債の価値変動によって、企業価値が大きく振り回されること
は合理的ではない。なお、これは確定給付の年金が持つ経済的現実であり、会計制度以前の
問題だ。企業の株主や投資家から見ても、事業会社A社に投資することが、A社の企業年金
の資産・負債のリスクにも投資することになるのは不自由だ。

資産運用業の育成期には、企業年金が、プロの運用会社をチェックする別のプロとして
存在することに意味があったのかもしれないが、率直に言って、企業年金の多くは運用の
プロとしてこのような期待に十分応えなかった。また、加入者から見て、いまや屋上屋的な
ムダであることも否めない。

もともと制度としての年金の趣旨は、1つには老後の備えに対する税制上の優遇を伴った
奨励であり、もう1つには長生きの経済的リスクに対する保険である。そう考えると、
いずれも、年金制度が企業単位であることになじまない。国民一人ひとりについての税制上の
公的なサポートの大きさにおいて、勤務形態や所属する会社・組織によって条件が異なると
いうのは、国の制度のあり方としてフェアでない。この点では、そもそも厚生年金や共済年金
といった制度自体が、国民間に無用の有利不利をつくっている。

また現状では、企業は労働者に長期勤続を求めるか、人材移動の利便性を求めるか等の
経営戦略に応じて企業年金の制度を選択・設計することができるが、経営者側の道具を
税制で後押しするのはいかがなものか。本来優先的に考えるべきは、加入者個人の事情や
生活設計だろうし、個人が年金の都合で転職や独立に際して損をするような仕組みは
よくない。また、正社員の年金に関するコストが、非正規労働の利用を増やす
インセンティブを経営者に与えている面もある。

続きます。
2やるっきゃ騎士φ ★:2008/02/05(火) 16:08:13 ID:???
-続きです-
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もちろん保険としても、企業単位、職域・業界単位で細切れに制度を運営する合理性はない。
さらに言えば、個人生活への介入と無用な有利不利を避けるためには、年金制度は、
世帯単位でなく、個人単位で設計されるべきだ。

代わるべき制度は、確定拠出年金と一時金を終身払いに変える保険の組み合わせだろうが、
確定拠出年金についても、企業単位の必然性はない。個人単位を基本とする全国民一律の
サービスを提供するほうが、ポータビリティ(転職時の年金持ち運びの利便性)の点でも、
年金機会の平等性の点でも、年金にかかるコストの点でも効率的だろう。
当面、確定拠出年金に関する非課税枠を大きく拡大することと、個人型の確定拠出年金の
普及を進めると、こうした方向に近づくのではないだろうか。

現行の制度がある限り、運用も含めた企業年金の運営にベストを尽くす必要はあるが、
公的年金の検討に加えて、企業年金の制度にも再検討が必要だろう。

執筆者プロフィール
山崎 元(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)
58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、
メリルリンチ証券、明治生命、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所
客員研究員、一橋大学大学院非常勤講師、マイベンチマーク代表取締役。

ソースは
http://diamond.jp/series/yamazaki_econo/10018/
http://diamond.jp/series/yamazaki_econo/10018/?page=2
依頼を受けてたてました。
3名刺は切らしておりまして:2008/02/05(火) 19:47:51 ID:spQKNB3b
>>1
才能無いから記者辞めれ
4名刺は切らしておりまして
このスレは伸びない・・・。