トレーダーの巨額不正取引事件で過去最大となる48億2000万ユーロ(約7600億円)の巨額損失を
出したフランスの銀行2位、ソシエテ・ジェネラル(SG)が、同国最大手のBNPパリバに買収される
との観測が強まってきた。仏政府、与党がブトン会長兼最高経営責任者(CEO)らSG経営陣の
責任追及姿勢を強めるなか、SGが経営の独立性を維持するのは困難とみられている。
SG株は、事件発覚直後こそ前日比6%超の下落となったものの、29日には10%以上も上昇。
事件の続報が流れるたびに値を下げ、短期での値戻しが難しいといわれるスキャンダル企業株
としては異例ともいえる値動きを演じた。
これは、今回の不正取引事件を契機に欧州のライバル銀行がSG株の公開買い付け(TOB)を
仕掛けるとの見通しが強まったためだ。
SGの経営陣は、事件の管理責任に対する批判を招いただけでなく、幹部によるインサイダー
取引疑惑も浮上。29日には事件を起こした元トレーダー、ジェローム・ケルビエル容疑者が
捜査当局に「自分の取引規模を上司らが知らなかったとは思えない」と供述したことがルモンド紙
(電子版)で明らかになり、経営陣に対する責任追及は一段と厳しくなる。
すでにサルコジ大統領や与党の国民連合運動(UMP)からも交代を求める声が出ており、
いったん辞意を表明しながら、損失穴埋めのための増資問題を理由に慰留されたブトン会長らの
退陣は時間の問題だ。
欧米メディアによるとSG経営陣が当事者能力を失いつつある中で、SGへの敵対的買収が
現実味を帯びている。英バークレイズと伊ウニクレディトなど欧州大手銀行のほか、
ブラックストーンなど米ファンドなどの名が浮上。最有力視されるのがBNPパリバだ。
同行の前身BNPは1999年にSGとパリバに349億ユーロの敵対的買収を仕掛けパリバは手中に
したものの、SG買収は失敗した経緯がある。
一方、政府は有力企業が外国企業に買収されるのをきらい、2006年には伊電力エネルによる
仏エネルギー大手スエズ買収阻止に向けスエズとフランスガス公社を合併させており、今回も
BNPによる買収に肩入れするとの見方が有力だ。
▽News Source FujiSankei Business i.on the Web 2008年01月31日
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200801310036a.nwc ▽SOCIETE GENERALE
http://www.socgen.com/ ▽BNP Paribas
http://www.bnpparibas.com/ ▽関連
【金融】仏・大手銀行ソシエテ・ジェネラルが巨額損失…トレーダーの不正取引で [08/01/24]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1201178687/