最新のウエアに身を包んだ若者が、シュプールを描きながらゲレンデを行き交う。
郡上市高鷲町の高鷲スノーパーク。1998(平成10)年開業の新参のスキー場ながら、
昨シーズンの入り込み客数は32万人で県内最多を誇る。
来月に開催されるスノーボードのワールドカップ(W杯)でも使われる長さ130メートルの
ハーフパイプのコースは、国内最大規模。清水裕幸支配人(49)は
「関東や中国地方、時には北海道からもハーフパイプを目当てに来てくれる」
とコースに自信を見せる。
客の内訳は、中京地方からが5割、関西地方からが4割。北陸地方は2%を切る程度だという。
「今は御母衣ダム辺りの道路事情が悪く、石川、富山からが非常に少ない。北陸のお客さんは、
東海北陸道の全線開通を心待ちにしていますよ」
これまでも、郡上市のスキー場は東海北陸自動車道の延伸のたびに集客の範囲を広げてきた。
名神高速道路と接続した翌年の99年には、同市(旧郡上郡)の全スキー場合計で
92年以降最高の219万人の入り込みを記録。5年間で実に3割以上も伸ばした。
「私たちは高速道路から最高の恩恵を受けてきた」と高鷲観光協会の和田繕長理事長(64)。
今や関西まで日帰り圏になり、本場の長野県から客を奪う勢いだ。泊まり客誘致のため、四国までPRに出向くという。
「昔は長野に追いつこうと毎年視察に行っていたが、最近は逆に白馬や栂池から見学に来てくれる」
と時代の変化に驚きを隠さない。
しかし、国内のスキー人口は93年をピークに、年々減少を続けている。
社会経済生産性本部の「レジャー白書2007」によると、2006年のスキー人口は610万人、
スノーボード人口は420万人で、計1030万人。93年より830万人も減った。
郡上市の入り込みも例外ではない。暖冬だった昨シーズンは前年比4・6%減の157万人。
全国の落ち込み率よりは緩いものの、ピーク時には遠く及ばない。
こうした波は、県内スキー場の経営にも大きな影響を与えている。
06年、老舗のすずらん高原スキー場(高山市朝日町)が営業を休止。
郡上市では、黒字営業だった高鷲スノーパークなど2カ所が東京のスキー場運営会社に買収された。業
績の良しあしを問わず、再編の動きが広がっている。
「営業を続けるには新たな設備投資が必要で、体力のないところはやめるしかない。
スキー場業界は激動の時代に入ってきた」(県内のスキー場関係者)
そんな中、スノーボードのW杯が郡上市で開催される。3億円と試算される経済効果以上に、
数字に換算できないPR効果に期待がかかる。
「これを機に、名実ともに全国区のスキー場にジャンプアップしたい」と同市観光課。
知名度の向上が衰退を食い止める歯止めになるかどうか。これから正念場を迎える。
ソース
http://www.gifu-np.co.jp/kikaku/2007/nohi/3/nohi3_1.shtml 関連スレ
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http://news24.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1196125506/