フォークリフト世界最大手の豊田自動織機(愛知県刈谷市)は29日、
急成長している中国事業を強化すると発表した。
中国工場の生産能力を、現在の年2000台から5000台に増強し、販売拠点数も倍増させる。
中国での豊田自動織機の市場占有率(シェア)は3%程度と苦戦が続いているだけに、
生産・販売面の拡充で、シェア10%を目指す方針だ。
生産能力を増強するのは、江蘇省昆山市の生産拠点「豊田工業昆山有限公司」だ。
稼働した1996年当初は、鋳造部品などを生産していたが、03年にフォークリフト生産を始めた。
今回の増強は、フォークリフト工場部分の面積を約3・3倍に拡充するなど
生産ラインを大幅に改修するもので、総投資額は約20億円。
拡充部分での生産開始は08年3月の予定だ。
拡充後は、部品などの現地調達率を、現在の25%から、09年3月までに40%程度に引き上げる。
現在、現地調達しているのは、タイヤやバッテリーなどにとどまり、荷物を持ち上げるフォークなど
主要部品は日本からの輸入に頼っている。
中国市場は、約7割が、豊田自動織機製の半額程度という安価な製品を主力とする現地メーカーが占め、
残る3割を巡り、外国メーカーがしのぎを削っている。
豊田自動織機は、現地調達率を引き上げることで、日本から主要部品を輸送するコストの大幅節減が
期待できることから、外国メーカーとの販売競争を優位に進めることを狙っている。
販売面では、中国国内の販売拠点数を、現在の44拠点から約90拠点に増やす。
これにより、中国市場が14万台強に拡大すると見られる10年に、中国での販売台数を、
07年の約3200台から、1万2000台に引き上げる計画だ。
中国のフォークリフト市場は、06年に日本を抜き、市場規模が約20万台の米国に次ぐ
第2位の市場に急成長した。07年の販売台数も10万台突破は確実で、世界一の成長市場となっている。
豊田自動織機は、世界販売シェアで01年に首位となり、世界全体では22から23%のシェアを確保している。
ソース
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_k/ckei080130_1.htm