銀の極微粒子を使い、わずか110度で融(と)け、いったん固まると961度まで
融けない導電性のハイテク材料を、大阪市立大の研究者による新興企業
「応用ナノ粒子研究所」(社長、小松晃雄・同大学名誉教授)が開発した。
高密度の集積回路に欠かせない微細な配線や、ハイブリッド車の回路の大電流に
耐える接合材料など、幅広い用途が期待されるという。
約3ナノ・メートル(ナノは10億分の1)の銀粒子を、「銀アルコキシド」という
アルコールと銀が結合した新物質で覆った。そのままなら110度、ペースト状に
した場合は約130度の加熱でアルコール分が飛ぶ一方、銀粒子同士が融けて
くっつき、銀の金属膜になる。すると銀の融点の961度まで融けない。
銀は金属の中で最も電気抵抗が小さく、発熱が少ないため、微細な配線や素子の接着に
最適。新材料は低温で融けるので、高温に弱いプラスチック基板上でも熱処理して
回路を作れる。
一方、燃料と電気を併用するハイブリッド車の制御回路では、鉛を主材料に
約350度まで耐える高温用ハンダが接合に使われているが、新材料なら
もっと大きな電流に耐え、加速性能を向上できる。鉛を使わず、熱処理時に
有害ガスも出ないので環境にやさしく、比較的低いコストで量産できるという。
ソースは
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20080129ke01.htm 依頼を受けてたてました。