液晶テレビ販売で世界シェア首位の韓国の大手電機メーカー・サムスン電子と姫路の
石油販売会社が4月にも、加西市内で廃食用油などを使ったバイオディーゼル燃料(BDF)の
製造に乗り出す。京都議定書で認定された二酸化炭素(CO2)などの排出権取引の一環として、
サムスン電子はBDF製造による温暖化ガス削減効果を自社のガス排出権として獲得する。
環境に優しい生物資源(バイオマス)の普及に取り組む加西市の構想を両社が支援する形で、
将来はBDFで地元の北条鉄道の車両を走らせる計画。兵庫を舞台に、世界企業の環境戦略が
動きだす。(桜井和雄)
サムスン電子の日本法人で国内販売などを手掛ける日本サムスン(東京)とマルタ産業
(姫路市)が、同鉄道北条町駅そばの車庫に製造設備を置く。6年間で約1200万円のリース料は
日本サムスンが負担する。
製造するBDFは最大で年間28万8000リットル。日本サムスンはオフィスビルや公用車などから、
年間に軽油約70万リットル相当の温暖化ガスを排出しており、今回のBDF製造で最大で4割分の
排出権を得ることになる。
原料は、加西市内の家庭や飲食店などから出る廃食用油。マルタ産業はBDFの優先提供などを
盛り込んだ協定を近く同市と結び、市は油回収の仕組みを作る。
同市は農林水産省が進めるバイオマスタウン構想の一環として、家庭などから出た廃食用油の
再利用を計画。両社との提携で市内でのBDF製造が実現することになり、7割以上の再利用率を
目指している。
また、日本サムスンが自治体と連携して温暖化ガス対策に取り組むのは初めて。「手応えを
見極め、今後の展開も検討したい」とし、マルタ産業も「油を扱う会社として環境保護に努めたい」
という。
今後、北条鉄道で実際に使うには、税制面や運行許可などの壁をクリアする必要があるが、
同市は大株主でもあり「まず車両の試運転などに使いたい」(市生活環境課)と話している。
■排出権取引 二酸化炭素やメタンなど地球温暖化の原因となる温暖化ガスを排出する権利を、
国や企業で売買する仕組み。京都議定書で認められ、先進国同士で排出権を売買する方法や、
先進国の企業が途上国で省エネにつながる事業を実施し、削減相当分の排出権を途上国側から
購入する方法などがある。最近は、国内企業でも電力や鉄鋼メーカー、商社などが排出権取引に
積極的に参入している。
▽News Source Kobe Shimbun Web news 神戸新聞 2008年01月27日08時34分
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0000814961.shtml ▽北条鉄道
http://thomas.dip.jp/hojo/ ▽関連
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