【通信】米AT&T、携帯電話部門好調で62%増益…10−12月期 [08/01/25]

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1きのこ記者φ ★
米通信大手AT&T(NYSE:T)が24日発表した2007年10−12月期決算は、
携帯電話部門が好調に伸びていることから62%の増益となり、携帯電話市場の状況について
懸念している投資家を安心させた。

ただ、同社が2週間前に懸念を示したように、景気減速の影響は同社のほかの部門に表れており、
固定通信部門とインターネット関連部門の業績は予想を下回った。

高速インターネット接続の契約件数は39万6000件の増加と、一部のアナリストの予想を下回った。
固定通信回線の契約件数は一部の予測を上回るペースで減少している。
固定電話からインターネット電話(IP電話)に切り替える人や、主な通話に携帯電話を使う人が増えているため、
主要通信各社では固定通信回線の契約件数が減少している。

リック・リンドナー最高財務責任者(CFO)は「今月はこれまでのところ、固定通信部門には引き続き
景気減速の影響が出ている。だがインターネット接続の契約件数は10−12月期に比べ改善しており、
全体としては今後の業績が同四半期に比べて大幅に悪化することはないように思われる」と語った。
さらに「08年の業績見通しと事業計画については満足している。景気は常にリスク要因だが、
当社の事業全般を見渡せば、当社は本来、景気減速にも比較的抵抗力があるといえると考えている」とした。

一部の投資家は、同社の弱点について懸念している。
同社株の24日終値は前日比0.94ドル(2.56%)安の35.75ドル。同社の株価は今月、幅広い銘柄と同様に値下がりしている。
上旬にランドール・スティーブンソン会長兼最高経営責任者(CEO)が「消費者向け部門では事業の伸びが
やや鈍化している」と述べるなど、景気減速の影響について発言したことも、株価を押し下げる要因となった。

同氏はこの時、「携帯電話部門や企業向け部門には、米景気減速の影響は出ていない」と述べていた。
10−12月期の携帯電話契約者数の増加がアナリスト予想を上回る270万人と、米携帯電話サービス会社の
四半期の増加数としては最大だったことで、さまざまな懸念を払しょくした。
同社の携帯電話契約者数は米最大で、12月末時点では7010万人だった。

ソース(>>2以下に続きます)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djBYZ9882.html
2きのこ記者φ ★
(続き)
同四半期の業績は、米アップル(Nasdaq:AAPL)の携帯電話機「iPhone(アイフォン)」にも押し上げられた。
米国ではAT&TがiPhoneの通信サービスを独占している。
AT&Tの回線を利用しているiPhoneは約200万台で、同社によると、AT&Tとアップルの販売店で売上高を折半しているという。

18日には米通信大手スプリント・ネクステル(NYSE:S)が、10−12月期の契約者数の減少が予想を上回ったと
明らかにするとともに、08年の業績について悲観的な見通しを示した。
米消費者の約80%がすでに携帯電話を持っているため、ウォール街の一部では、携帯電話市場の成長は
終わりに近づいているとみられている。

サンフォード・バーンスタインのアナリスト、クレイグ・モフェット氏は調査リポートで
「(成長が終わりに近づいているのは)業界というより個々の企業の問題のようだ。少なくとも現時点では、
答えははっきり出ている」と述べた。

AT&Tは、iPhoneやその他のスマートフォン(多機能携帯電話)への消費者の関心の高さが成長を後押しすると期待している。
同社幹部によると、スマートフォンの契約者1人当たりの月間利用料金(ARPU)は同社の平均ARPUの2倍。
同社の顧客のうちスマートフォン利用者はまだ12%にとどまっている。

(記事終)