ロシア連邦宇宙局が昨年12月末に打ち上げたロシア版GSP衛星「GLONASS」に
測位精度上の問題が生じていることが25日までにロシア国防省の発表により明らかとなった。
ロシア連邦宇宙局は昨年末にカザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地から
プロトン(Proton-M)ロケットを使って3機のロシア版GSP衛星「GLONASS」の打ち上げに成功。
この打ち上げにより軌道上で運用可能となるGPS衛星の総数は18機となり、ロシア全土をカバーするGPS衛星網が完備した。
しかし、実際にGPSの運用を開始してみると場所によっては測位精度は当初の設計精度となる
1メートルを大きく下回る10メートルにもなるなど、米国政府のGPSと比べると精度が大幅に下回っていることが判明。
事態を重く見たセルゲイ・イワノフ ロシア副首相兼国防相は23日、ロシア連邦宇宙局の責任者を呼び出し
問題の原因解明と責任の所在を明確化と共に、対応策の取りまとめを命じた。
今のところ、測位精度の問題点を地上管制からの指示により修正を行うことができるかに関しては不明。
ロシア連邦宇宙局では2010年中にも追加でもう6機の「GLONASS」を打ち上げることで合計24機体制に移行させ、
地球全域をカバーするGPS網を完成させる予定だったが、衛星の設計精度が当初の予定を大幅に下回る事態を受けて、
「GLONASS」計画は変更を迫られる可能性が高まってきた。
ソース
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200801261047