>>1の続き
オーディオマニアの間でも物議を醸しているスピーカーケーブルのテストも行った。
ケーブルに数万ドルを投じる人もいれば、金の無駄だと考えている人もいる。
2台の同じCDプレーヤーを使い、2000ドルの8フィート(2.4メートル)のSigma Retro Goldケーブルと、
ホームセンターで売っている、親指ほどの太さの14ゲージのMonster Cableをテストした。
多くのオーディオマニアは、同じくらい音がいいと答えた。
わたしには違いが分からなかったし、ほかに分かる人がいるかどうかちょっと疑わしいと思う。
だが、このテストに参加した39人のうち、61%は高価なケーブルの方がいいと言った。
これだけ価格差のある2つの製品の違いとしては、大きな差ではないかもしれない。
だが、このトレードショウに参加した知識ある人々 ――
Stereophile Magazineのジョン・アトキンス氏やマイケル・フレマー氏など――
がたやすく高価なケーブルを選んだことに、わたしは驚嘆した。
高価なケーブルの音は「より豊か」「より鮮明」「より粘りがある」と表現されていた。
言われてみれば、ワインのようだ。
とは言え、絶対的にはこの違いは大きなものではない。
アトキンソン氏は、高価なケーブルの方が5%ほど音がいいと推測した。
思い出してほしいのだが、オーディオマニアの定義は、音を少しでもよくするために、
いかなる重荷も背負い、幾らでも払う人々だ。
Home Entertainment Showの来場者数はがっかりするほど少なかったため、望み通りにテスト参加者を集められなかった。
たとえ数をそろえられたとしても、何らかの結論が出ていたかどうかは分からない。
こうした「A-B」テストには限界がある。
例えば、すぐには分からないかもしれない違いも、長く聞けば分かってくることもある。
懐疑的な向きは、わたしが感傷的でだまされやすくなったと考えるかもしれない。
そういうわけではない。
>>3に続く