【CES】パナソニックが語る“フォーマット競争後”のBD戦略[08/01/13]

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1しゃぎり ◆Hi.......Q @窓際店長見習φφφ ★
 ソニーとともにBD事業の立ち上げに腐心してきた松下電器産業(10月1日付けでパナソニックに社名変更
予定)。HD DVDとのフォーマット戦争終結に向けた道筋がハッキリと見えてきた今回の「2008 International
CES」後、同社のBD事業はどのような方向に向かうのか。松下電器産業・役員の津賀一宏氏に話を訊いた。

 津賀氏は2年前「国内でフォーマット戦争はない」と言い切っていたが、昨年末はその言葉通りの展開に
なった。一方、北米市場もワーナー・ホーム・ビデオの発表を受けてBDへの流れがハッキリとし、その行方
はすでに決まったかのようだ。

 では、津賀氏はワーナーの発表をどのように受け止めたのか。

 「今回の発表は事前に情報を全く持っておらず、非常に驚きました。BDの優位性に関しては、実際のソフト
ウェアのセールスも、容量などスペックの面でも自信を持っていますが、いくつかの映画スタジオは特殊な
事情から、市場で主流ではない規格のみでしかソフトウェアを発売していません。それだけに、東芝は非常
に競争力の高いタイトルを揃えるワーナーと強力な関係を築いているかもしれない。この部分は全く読めま
せん。ソニー・ピクチャーズはもちろん、ディズニー、20世紀フォックスといったスタジオは、BDの共同プロ
モーションに彼ら自身の予算を割いているほどで、BDのみにソフトを供給している映画スタジオの動向は
一貫しています」

 「このため、ワーナーがどのような判断を下すのか、さまざまな状況を想定し、各シチューエーションで
松下電器がどのように動くべきかを考えていました。1つは昨年通り2つのフォーマットで出し続けること。
この場合は、北米でのフォーマット戦争は長引きます。次にワーナーがHD DVDに一本化される最悪の
ケース。可能性は低いと思っていましたが、全くゼロとは言い切れません。最良のシナリオは、ワーナーが
BDのみにタイトルを供給するようになることです。この場合、約8割のハリウッドコンテンツがBDで提供
できるようになります。そうなれば、フォーマット戦争の終わりに向かうだろうと考えてきました」

 一方、津賀氏は一貫して「日本市場ではフォーマット戦争はない」と主張してきたが、日本市場に対して
北米市場が与える影響をどのように見ているのだろう。

 「日本はレコーダー市場なので、ここで戦争はありませんでした。しかし、懸念事項として北米でフォー
マット戦争がある限り、日本でも買ってもらえないのでは? という不安は確かにありました。その不安も
ワーナーの発表で払拭されました。フォーマット戦争が終わったとは言いませんが、これで懸念が大幅に
小さくなったことは間違いありません。映画スタジオがどのフォーマットをサポートするかは、われわれが
コントロールできる問題ではありませんから」

 さらにフォーマット戦争が終わるタイミングについては、「北米で約8割のコンテンツがBDだけでしか見る
ことが出来ないのですから、早期に決着が付くことを期待しています。現時点ではHD DVD対応ソフトも
量販店で多数見かけます。これがBD一色になってくるのは、おそらく今年の年末ぐらいでしょう」と話す。
(続きは>>2
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0801/12/news014.html
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0801/12/news014_2.html
2しゃぎり ◆Hi.......Q @窓際店長見習φφφ ★:2008/01/13(日) 04:39:56 ID:??? BE:2438382-PLT(16001)
>>1の続き)
 その後。つまりフォーマット戦争が終わった後は、今度はSD対応機器からHD対応機器への移行を推進
するという新たなテーマが浮かび上がってくる。1つの目安として、オリンピック商戦において、ハイビジョン
レコーダーのうち何割がBD対応になると読んでいるのか?

 「おそらく5割ぐらいまで、BD搭載機が伸びると考えています。さらに、BD搭載レコーダーでなければ、
HDのパッケージソフトは再生できません。それでは消費者にとっても不便ですし、パッケージソフトを再生
できる環境を整備する意味でも、何時とは明言できませんが、なるべく早期にディーガのラインアップ
すべてをBD搭載機にしたいと思います」

 BDとHD DVDが、それぞれに優位性を主張しあっていた時期には、「BDはディスク製造が難しすぎる。
2層ディスクの安価な量産は無理」と攻撃された時期もあったが、パッケージ用のROMはもちろん、記録
メディアも価格は徐々に下がってきている。

 「例えばDVDを振り返ると、その初期は6ミリ貼り合わせなど、本当にできるのか? といった疑問もあり
ました。実際、2層DVD-ROMは現実には製造できないと言われていたんです。しかしその後、次々に問題を
解決して現在に至っています。では、DVDはダメな規格だったんでしょうか? もちろん、違いますよね」

 「技術的なハードルを克服してこその技術企業であり、製造メーカーの本分だと思います。難しそうだから
といって、最初から自分でハードルを下げては良いものはできません。無謀なチャレンジは良くありません
が、解決できる見込みがあるからこそ、BDを推進しました。この考え方は間違っていなかったと思います」

 消費者の視点で見ると、次の興味はBDが普及することにより、どこまで記録メディアが下がるか? ではないだろうか。

 「単層25GバイトのBD-Rが現在は1000円ぐらい。複数枚セットでは800円ぐらいの場合もあるでしょうか。
最初のターゲットは1層で500円。2層に関しては、1層の“2倍以下”になるよう努力したいと思います。価格に
関してはダブルチューナーで10万円を切ることが目標です。シングルチューナーで価格を下げるやり方も
あるでしょうが、家族みんなで共有していると、あっという間に競合してしまう。ダブルどころか、トリプル
チューナーが欲しいと思うこともあるぐらいですから、ダブルでの低価格化は必須だと思います」

 また、これから先の技術開発に関しても「BDの多層化はまだ進めます。パッケージソフトに関しては規格
が既に決まっていますが、技術面での解決策とニーズ発掘の可能性があるならば挑戦すべきだと考えて
います。多層化に関してはドライブ開発ではなく、ディスク製造の面でブレークスルーが必要ですが、決して
不可能な話ではありません」と、これからも技術的な問題に挑戦していく姿勢を示した。
(終わり)