米音楽大手ワーナー・ミュージック・グループ(Warner Music Group)は27日、
米ネット小売大手アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)が運営するオンライン音楽ストア「Amazon MP3」で、
DRM(デジタル著作権管理)技術が施されていない楽曲の販売を行うことで合意した。
ワーナーはこれまでDRMフリー楽曲の提供は行わない姿勢を示していたが、
競合他社に追従する形で方針を転換した。
ワーナーが楽曲の提供を始めることで、Amazon MP3で販売されるMP3楽曲の数は290万個以上になる。
今週中にすべての楽曲が同サイトに追加される予定。
多数の独立系レコード会社と、大手レコード会社ではユニバーサル・ミュージック・グループ、
EMIミュージックが既に大半の楽曲をAmazon MP3で販売する契約を結んでいる。
大部分の楽曲は、1曲89-99セント、アルバムが5.99-9.99ドルの価格で提供されている。
DRMを巡っては、再生できるデバイスが制限されることへの批判があるが、
レコード業界ではDRM自体が互換性を損なわせているものではなく、複数のDRMが採用されていることが
問題を生んでいるとの主張を展開していた。
また、携帯音楽プレーヤーでトップのシェアを持つアップルがDRM技術を他社にライセンス供与すべきだとしていた。
アップルはこの主張を受け入れず、EMIがDRMフリーの楽曲をアップルのオンライン音楽ストア
「iTunes Store」で提供する契約をアップルと結んだことからレコード業界の姿勢も変化し始めた。
数カ月後、ユニバーサルもiTunesを除く音楽販売サイトでDRMフリーの楽曲の提供を行うと発表した。
研究グループ、インサイド・デジタル・メディアのシニア・アナリストであるフィリップ・リー氏は、
今回のワーナーの戦略転換が、今後すべてのレコード会社が同様の動きに出ることを示唆するものだと述べている。
ワーナーはニュースリリースの内容以上のコメントは行わなかったが、リー氏は同社がアップルとも同様の契約について
協議している可能性が高いと述べている。
ソース
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/071228/15440.html