【知的財産】「ソフトウエア特許は『防衛』のために取得されている。一定の制限がイノベーションを促進」---経産省 石川氏[07/12/25]

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14名刺は切らしておりまして
-続きです-
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■ユーザーの言うことを聞けばいいというものではない
--ユーザー側にも問題はあるのでしょうか。

我々がお付き合いさせていただいているのは、自社のシステムの案件をすべてどこかに
全部丸投げするようなところではなく、ちゃんと自分たちで管理して複数のベンダーに
分割して委託しているようなところだ。国内ユーザーの3-4割はそういう企業で、
3兆円ぐらいの市場規模はあるだろう。

一方で、大手ベンダーに丸投げするようなところは、受注した大手ベンダーがさらに
子会社に丸投げといったような構図になる。その結果下請け構造ができている。

お客様は「神様」といっても何でも言うことは聞けばいいというものでもない。
「人貸し」ではなく、我々のような一括請負ならきちんとものが言える。

私は昔、顧客と戦ったことがある。あるプロジェクトで顧客が疲れていたエンジニアを
「帰すな」と言ってきたことがあったが、言うことを聞かずに旅館に泊めて休ませた
ことがあった。あまりに疲れていたら仕事にならない。結局そのプロジェクトは前倒しで
終わることができて、顧客も最後には「さすが神山さん」と言っていた。
顧客が言うことも会社全体の方針できちんと考えがあってのことなのか、その組織の中に
いる個人のエゴなのか見極めないといけない。

■悪貨は良貨を駆逐する、やらされ仕事だから「3K」
--「3K」職場などと言われて、学生からの就職先の人気も落ちているようです。

自分の会社についてきちんと説明して、理解してもらって入ってもらうしかない。しかし、
「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉のように一部の企業だけよくてもうまくいかない。
業界にちゃんとよくなってもらわないといけない。

「3K」と言っても、労働時間が長いことが本質的な問題ではない。
大手自動車メーカーだって、マスコミだって忙しい企業は労働時間が長いはず。でも、
そうした職場のことを3Kと呼んではいない。この業界は人を貸し出すような業態に
なっているところが多く、人がいた時間分お金をもらう。そうすると仕事の主体性が
なくなるのだ。主体性のないやらされ仕事だから3Kだと感じる人が多いのだろう。

■外圧が必要
--どうすれば、業界の構造を転換できるのでしょうか。

外圧をかけるしかない。日本は昔から、外圧に弱い。今までは日本の文化障壁に守られて
いたが、中国やインドでも日本語が話せる人材が増えているという。そういうのが入って
こないと構造改革にならない。

ただ、こういう下請け構造、多層構造は日本の製造業にも共通する特徴だ。もっと等距離で
パートナーという考え方に変えていく必要がある。中小企業も、下請けになるのは安易で
楽な方法だが、それに安住するようでは競争力が付かない。

神山茂(かみやま・しげる)1936年生まれ。60年横浜国大卒、伊藤忠電子計算機入社。
62年日本ビジネスオートメーション入社。71年ジャステック設立、社長に就任

-以上です-