石油輸出国機構(OPEC)の臨時総会が5日にアラブ首長国連邦のアブダビで
開かれる。9月の総会では約2年ぶりに原油増産を打ち出したが、その後も
原油価格の高止まりは続いており、今回は追加増産に踏み切るかが焦点だ。ただ、
一時1バレル=100ドル目前に達した原油先物相場は同80ドル台後半まで下落、
一部の加盟国は増産に反対姿勢を示しており、今回の総会では据え置きとなる
可能性もくすぶっている。
OPECは9月に日産50万バレルの増産を決め、11月から生産枠を
2725万バレルに引き上げたにもかかわらず、原油価格はその後も高騰し、
一時は年初に比べ2倍の水準にまでまで上昇。急激な原油高に危機感を
募らせた米国は産油国に増産を求め、IEA(国際エネルギー機関)も懸念を
表明した。
これを受け、サウジアラビアなどが原油価格の沈静化のため、一旦は増産の検討に
入った。
しかし、足元の米国景気の先行き不透明感に加え、OPEC総会の増産観測により
原油相場に大量に流入した資金が利益確定の売りを加速。原油相場は先月30日に
約1カ月ぶりに90ドル台を割り込み、ピークから10ドル以上も下落した。
この間、原油取引の通貨となるドル安も進展。収入減を避けたいカタールなどが
「増産不要」の姿勢を強めている。
今回の臨時総会では増産がテーマとなるが、現状で増産余力があるのはサウジのみ。
大幅増産は困難な状況で、「引き上げたとしても日産50万バレル程度」(石油業界
関係者)との声が支配的だ。とはいえ、増産が実施されたとしても原油相場には
織り込み済みとの見方が大半。だが、増産据え置きとなれば、「原油相場は
1バレル=90ドル以上の展開が続く」(第一生命経済研究所の嶌峰義清主席
エコノミスト)との見方もある。原油高騰は各国の消費を冷やしかねないだけに、
「(OPECは)能力拡張に努力して欲しい」(加藤寛彦コスモ石油海外部長)との
声も高まっている。
ソースは
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200712050029a.nwc 依頼を受けてたてました。