トヨタ自動車は28日、南アフリカでセダン型の新型カローラの生産を開始したことを
明らかにした。海外で新型カローラを生産するのは中国に次ぎ2番目。南アフリカは
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に続く新興国市場に成長すると期待されて
いるだけに、欧米に先駆けて最量販車の新モデル投入に踏み切った。
新型カローラの生産を開始したのは、現地の合弁生産会社「トヨタ サウスアフリカ
モーターズ」(TSAM)。排気量1.4-1.8リットルのガソリン車3車種と
2リットルのディーゼル車1車種の計4車種で、いずれも主力のセダンタイプ。
トヨタは今年に入って約270億円を投じ、南ア工場全体の生産能力を年間12万台から
20万台に引き上げ、新型カローラの立ち上げ準備を進めてきた。
今年1-9月の南アにおけるカローラ販売台数は約2万5000台。モデル末期のために
前年同期比約4割減と大幅にダウンしていることもあり、新型車の生産・販売に
踏み切った。
TSAMはカローラ以外にも、新興国向け戦略車「IMV」シリーズのピックアップトラック
やSUV(スポーツ多目的車)などを生産している。カローラセダンは南アで高級車として
扱われ、トヨタも主力車種に位置づけている。同国でのカローラは、セダン以外にも
ハッチバックとミニバンを販売しているが、これらは輸入で対応している。
新型カローラは誕生40年にあわせ、昨年10月に国内発売された10代目モデル。
南アでの現地生産車は海外仕様で、今年5月に中国・天津で生産を開始していた。
南アはベトナムやインドネシアと並んで「VISTA」と呼ばれる新興国市場。今後も着実な
伸びが見込まれており、BRICsに続く成長市場になると期待されている。
トヨタは1962年に同国で現地生産を開始し、昨年の販売台数は約15万台。
シェア(市場占有率)は20%超とトップを確保している。
さらに今回、最量販車の現地生産に踏み切ることで、アフリカ戦略の強化にも
先鞭(せんべん)をつけたといえそうだ。
南アの自動車市場は2002年に約38万台だったが、06年に約71万台となり、タイ
(06年実績は約68万台)を上回る規模に成長した。この間、ダイムラー・クライスラーや
フォルクス・ワーゲン、BMWなどの現地進出が相次ぎ、独自動車メーカーの
一大供給基地に成長。他国への自動車輸出額もここ10年で約8倍に拡大した。
日本勢でもトヨタのほか、日産自動車が南アに進出。06年はピックアップトラックなど
約4万5000台を現地生産したほか、輸入も合わせて5万台以上を販売した。さらに、
今月からは世界戦略車に位置づけるミニバン「リヴィナ」シリーズの現地生産・販売を
スタートさせるなど、各社にとって南ア事業の重要性が一層増している。
ソースは
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071129/biz0711290008000-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071129/biz0711290008000-n2.htm 依頼を受けてたてました。