NECビッグローブは27日、「BIGLOBE」の事業戦略に関する記者説明会を開催した。
同社のアセットを活用することで、既存事業および事業領域の拡大を行なうことを明らかにした。
● 1,875万人の無料会員を生かすことが課題
NECビッグローブの飯塚久夫代表取締役執行役員社長は、まず現在の主な事業である
「ISP(インターネットサービスプロバイダ)事業」「サービスプラットフォーム事業」
「ブロードバンドメディア事業」を挙げ、これらの現状について説明した。
ISP事業では、FTTH会員が2007年7月に100万会員を突破し、FHHTシェア2位(10.5%)であるとし、
「2008年3月には FTTH会員が130万人を超えると見込んでいる」と述べた。
また、イー・モバイルのMVNOによるHSPDAやWiMAXといった、
高速モバイル接続サービスにも取り組むことを紹介した。
サービスプラットフォーム事業では、会員コミュニティソリューションや映像配信ソリューション、
モバイルソリューションなどのサービスを説明。
「モバイルソリューションはTBSやテレビ朝日などに提供しているが、番組サイトでは放送時に
急激なトラフィック増加が発生する。ピークトラフィックにも対応できるサービスが特徴」とアピールした。
ブロードバンドメディア事業では、動画配信サイト「BIGLOBEストリーム」について、
「BIGLOBEの無料会員は1,875万人で、そのうち動画視聴登録者数は820万人」と説明。
「この会員数を生かすことが課題であり、BIGLOBEトラベルなど、現在好評を得ているサービスに
一層注力していきたい」と述べた。
また、現在250の公式サイトを展開しているという携帯電話向けのサービスも拡大する構え。
● 既存事業を横断する新たな戦略を展開
また飯塚社長は、通信技術の進化や、それに伴う個人・企業のニーズを踏まえた上で、
戦略コンセプトに「BIGLOBE Assets as a Service」を挙げた。
従来、BIGLOBEが提供していたサービスに加え、WebAPIやポータル連携、
新たなマーケティング手法などを取り入れ、「我々の持つリソースを有効活用し、
ユーザーに向けて新しい形で発信していく」と述べた。
「BIGLOBE Assets as a Service」では、ユーザーの需要に応じて必要なアプリケーションを
ネットワーク経由で提供する「SaaS」、モバイル端末の拡大を見込んだ「クロスアプライアンス」、
BIGLOBEの特色を生かした「ユニークなサービス」に焦点をあてた戦略を展開。
これら3つの考えを、既存事業を横断する形で取り組み、事業全体を拡大していくという。
また、具体的な展開イメージとして、クロスアプライアンスの取り組みでは、
さまざまな端末からシームレスに利用できる「おでかけ情報サービス」を、
ユニークなサービスの取り組みでは、11月から開始している視聴者参加型動画ポータルサイト
「みんなでBIGLOBEストリーム」などを説明した。
このほか、企業向け向けには、SaaS化の取り組みとして、BIGLOBEのWebAPIとパートナー企業の
システムを連携したサービスを提案。
具体例として、アドビシステムズ社との提携によるPDF文書管理サービスを紹介した。
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>>2以降へ続きます)
INTERNET WATCH
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/27/17649.html