効き目を具体的な数値データで示した一般大衆薬の広告が、新聞や雑誌に相次いで登場している。
業界団体の日本大衆薬工業協会はこれまで
「中途半端なデータを使うと、消費者の誤解を生じる恐れがある」などとして広告を自主規制してきたが、
血中脂肪の改善をうたう飲料など特定保健用食品(トクホ)やサプリメントが売り上げを増やしているため、
対抗策として4月から医薬品の有効性に関するデータを利用した広告を解禁した。
ロート製薬は漢方薬シリーズ「和漢箋(わかんせん)」で、
便秘や肥満症を改善する「ロート防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)錠」の臨床試験結果を示した広告を今月から展開する。
肥満の女性20人が食後に半年間服用し、皮下脂肪やウエストサイズの減少をグラフで示した。
データ広告の口火を切ったのは大正製薬で、6月から発毛剤「リアップ」の臨床試験の結果を広告中だ。
約300人が1年間使用した結果を医師が評価し、約70%に改善効果が出たことをグラフ化した。
リアップは発売時の99年度に約300億円の売り上げがあったが、06年度は約88億円に減少。
それが07年9月中間連結決算では前年同期比10%増となった。
同社は「店頭での販売促進強化もあるが、広告も下支えした」という。
このほか、エスエス製薬は睡眠改善薬「ドリエル」の臨床試験結果を広告でPRした結果、
「どこで買えるのか」といった問い合わせが相次いだ。
インターネットも解禁され、武田薬品工業は更年期障害を改善する薬の臨床試験結果を掲示。
エーザイはアレルギーによる皮膚トラブルを改善する内服薬の効果を示すデータを記載した店頭パンフレットを配布した。
日本大衆薬工業協会によると、大衆薬市場は9000億円規模をピークに、現在は6000億円規模に減少。
体調不良の改善や予防、健康増進効果をうたうトクホが売り上げを伸ばす一方、
大衆薬メーカーは栄養ドリンク市場の減少で苦戦を強いれている。
協会の三輪芳弘会長(興和社長)は「薬の効果の科学的根拠を広告で示し、市場を活性化したい」と話している。
ソース:毎日jp
http://mainichi.jp/select/biz/news/20071124k0000m020055000c.html 日本大衆薬工業協会
http://www.jsmi.jp/