オリックスは、商業銀行最大手メトロポリタン・バンク・アンド・トラスト(メトロバンク)グループの
フェデラル・ランドと組んで、フィリピンの不動産開発事業に参入する。月内をめどに合弁会社を
設立し、第1弾として総額40億ペソを投じ首都圏マカティ市にコンドミニアムを建設する。
オリックスとメトロバンクの合弁会社でリース事業を展開するオリックス・メトロ・リーシング・
アンド・ファイナンスの並木寿夫ディレクターは21日、NNAに対し、「オリックスが進める
アジア地域での不動産事業強化戦略の一環」とした上で、「オリックスが40%、フェデラル・ランドが
60%を出資して合弁会社『フェデラル・ランド・オリックス』を設立し、2009年第1四半期に
コンドミニアムの建設を開始する」と説明した。
新会社は、登記に向けた申請を行っているところだが、月末までには認可を得て設立できる見通し。
資本金は明らかにしていないが、非常勤でオリックス側が3人、フェデラル・ランド側が4人の
取締役をそれぞれ派遣する。
今後は、「オリックスが東京などで培った高級マンション開発のノウハウをデザインなどに
生かしながら」(並木ディレクター)、着工に向け準備を進める。新コンドミニアムの名称は
「グランド・ミドリ・マカティ」で、「日本らしさを盛り込んだ」(同)。マカティ市レガスピ・ビレッジに
メトロバンクが保有する3,900平方メートルの土地に建設することにしており、35階建て2棟の
全500戸で構成する。完成は11年を見込む。日本で住宅ローン事業を手掛けるオリックスだが、
今回のケースでは、融資は行わない方針だ。
オリックスはまた、第2弾以降の開発事業にも関心を示している。現時点で具体的な計画は
ないものの、「フェデラル・ランドがいろいろな開発計画を持っており、オリックスとしても(参加を)
検討していきたい」(同)と意欲をみせる。
一方、フェデラル・ランドのアルフレド・ティ社長は、「高級物件として販売していく。フィリピン
在住の日本人もターゲットと考えている」と述べている。
両社は、不動産の共同開発事業の推進について、今年5月に思惑が合致し交渉をスタート。
7月には合意に達し、了解覚書(MOU)を締結していた。
オリックスにとって、不動産は中核事業の1つ。07年9月期の不動産事業の業績は、資産残高が
前年同期比6.9%増の9,630億円、税引き前利益が同14.1%増の410億円だった。アジアでは、
これまでに中国、台湾、シンガポール、ベトナムなどで不動産開発に関する事業実績を持つ。
同社は、フィリピンではオリックス・メトロを通じたリース事業で、進出30年目を迎えた。
オリックス・メトロは、一般設備機器、商業・農業設備などのリース事業、コーポレートファイナンス
事業を展開している。資本金は5億3,130万ペソで、オリックスが40%、メトロバンクが50%、
メトロバンク子会社のファースト・メトロ・インベストメントが10%をそれぞれ出資している。
05年には、メトロバンク・グループと合弁で自動車リース事業を展開するオリックス・オート・
リーシング・フィリピンも立ち上げている。
引用元
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000008-nna-int