鳥取県米子市末広町の米子駅前サティを運営する大手スーパー・マイカル(大阪市)が、
駅前サティの店舗などを所有する米子市の第三セクター「米子駅前開発」の全株式を
取得する意向を示し、米子市が申し出に応じて所有株を売却する方針を固めたことが
十六日、分かった。マイカル側は店舗取得で賃貸料の軽減を図り、経営基盤の安定を
目指す構えで、経営破たんで与えた地元への不安を一掃し、営業を継続する意向を
示した形だ。同日の米子市議会経済教育委員会で、市執行部が明らかにした。
市によると、マイカルは▽駅前サティの店舗▽店舗に隣接する立体駐車場▽他施設と
共用されている駅前簡易駐車場?の三施設を賃貸。施設の底地は同市と市の外郭団体で
ある市開発公社が、建物は市と市開発公社、駅前開発が所有している。マイカルは現在、
これらを駅前開発を通じて借りており、年間二億四千五十万円の賃貸料を支払っている。
一方、二〇〇一年九月にマイカルに民事再生法が適用されたことを受け、市は賃貸料を
〇二年十月から五年間、年間三億九千百五十万円から現在の額に減額していた。
市は九月の契約更改で、すでに再生手続きを終結しているマイカルに賃貸料の値上げを
求めたが、マイカル側は駅前サティの経営が赤字のため現行以上の賃貸料負担は困難-
との認識を示し、駅前開発の株式買い取りを申し出たという。
駅前開発の株式は四千株あり、市はこのうち二千九百株を所有。株式の売却金額は
額面通りの一株十万円とするため、市の額面総額は二億九千万円となる。駅前開発の
現在の純資産は約一億一千八百万円で、株式に換算すると一株約三万円。
このため、同市の矢倉敏久経済部長は「市としては主資金が返ってくるので損はない。
市開発公社などとの契約も順守されるのであればこの話を受け入れたい」としており、
来年三月の定例議会に財産売却の議案を提案する構えだ。
マイカルは今後、同市以外の株主にも株式取得を申し出る考えで、駅前開発の
株式取得後も、駅前開発が市や市開発公社と締結している賃貸契約は、継続する。
駅前開発の職員二人についても継続雇用する予定という。
株式取得により賃貸料の中間マージンなどのコスト削減が見込めるといい、マイカルの
担当者は「地元では、マイカルが経営破たんした後、『撤退するんじゃないか』という
不安もあったと思う。この不安を払しょくし、従業員の士気を高めたいという狙いも
ある」としている。
ソースは
http://www.nnn.co.jp/news/071117/20071117005.html 依頼を受けてたてました。