【労働環境】派遣労働:「求人広告の給料うそ」愛知の会社を提訴へ・計1800万円の支払要求…債務不存在の確認で逆提訴も [07/11/18]
自民党と政商(トヨタ、キヤノン)、外資に蝕まれる日本人勤労者
@小泉(竹中平蔵)改革の失敗
2001年、小泉政権発足により市場原理主義に基づく”新自由主義”が日本で本格的に導入された。
新自由主義とは、従来政府が担ってきた経済への調整を、
規制緩和等により市場に任せ、各々が市場で利己的に競争しあうことにより、
「見えざる手」が働き、市場の均衡が保たれるという理論である。
この理論は、実際には弱肉強食の理論であり、
構造的に強者と弱者の二極化を促進させ格差社会を生み出す。
新自由主義を導入した他国でも既に同様の問題が引き起こされている。
もはや市場原理主義の謳う市場任せの解決が不可能な状態、
俗に言われる「市場の失敗」に陥っている。
また、新自由主義的な経済政策を推し進めていた国際通貨基金(IMF)も、
“新自由主義的経済政策の推進は理論的にも実践的にも誤りだった”と2005年に認めている。
A自民党と経団連の癒着
財界からの政治献金は癒着を非難されロッキード、リクルート事件を機に停止されていた。
経団連(当時の経団連会長、奥田碩:トヨタ)は財界からの政治献金を小泉政権時代に復活させ、
政治献金を行う際の政策評価基準となる「政策評価」を毎年発表し、
その政策達成率により各党に政治献金を行っている。
自民党は法人税減税、労働規制の緩和等の経団連からの要求を受け入れ、
経済財政諮問会議に数多くの経団連のメンバーを送り込んだ事から
経団連から毎年25億円程度の政治献金を受けている。
2007年にはホワイトカラーエグゼンプション等の規制緩和を
経団連からの新たな提言として検討する態度を示し高評価を得た。(経団連2007年政策評価より)
また、自民党からは外国勢力により政治への影響を防ぐために
規制していた外資企業からの献金を政治資金規正法改正案する事で
外国株主比率が過半数を超える企業からの献金ができるように改めた。
(現経団連会長企業:キヤノン等)
B労働者の非正規化と低所得化、優遇される大企業
自民党により1999年に改正派遣法働者派遣法全面改正された。
当初、不況に陥った企業を支援する目的での緩和と謳ったものであったが、
企業の業績が回復、好景気を迎えても2003年、2004年と
次々と派遣法を緩和され、現在も規制緩和に突き進んでいる。
当初、派遣は限定された専門職に限られ、期限も決められていたが、
対象となる業種は原則自由とされ、その期間も無期限とされた。
また、労働基準法、有期雇用法も2003年に改正され、
正規雇用が義務化される期間が1年から3年に延長され労働者の正規化を阻んだ。
これらは経団連の「雇用の多様化」「雇用の流動化」「国際競争力強化」等の提言を受けたものだ。
規制緩和により非正規のハイリスク・ハイリターンの図式が崩れ、
本来想定されていない非正規の低賃金競争、底辺への競争が始まった。
それに伴い、企業が戦後最大の収益を上げる中、
非正規化の影響は正規雇用者の賃金にも及び、日本の労働者全体の賃金を押し下げ続け、
個人消費を萎縮させ、内需低迷を引き起し、日本のGDPは急降下した。
多くの企業が取り入れた能力主義も実際には賃下げの理由と使われ、
企業の収益と労働者の賃金が更に剥離する事態を招いた。
低賃金化の影響は若年者、特に20代の日本人勤労者が影響を受け、
その22%が年収150万円未満(2007年、厚生労働省調べ)、
20代勤労者の5人に1人が発展途上国並の賃金で物価の高い先進国で暮らしている事となる。
その一方で自民党は企業に大幅な減税措置や多国籍企業向けの特別減税制度を設け、
また、株式所有者を優遇する制度を制定した。
C緩和された規制すら守れない企業、取り締まらない役人、動かない政府
日本は労働に関して違法を行った企業への対応は極めて甘い。
罰則も甘く、最低賃金法を犯しても2万円以下の支払いで済む。
違法派遣を数多く行った派遣会社が行政処分を受けたが、
実態を早期に把握していたにも拘らず、相当な犠牲が出た後で対応は遅い。
また、莫大な利益を上げた派遣会社以上に
違法行為で一番恩恵を受けるのは派遣先となる企業であるにも関わらず、
1社も処分、指導、その企業名の公表すら受けていない。
福田総理(自民党)は使い捨て雇用、ピンハネ率、正規非正規の格差、
低賃金化の異常性を国会で認めながらも動かない。
偽装請負の代表格であるキヤノン、御手洗氏(現経団連会長)の参考人招致も拒否した。
トヨタの期間工に対する悪質な脱法行為すら問われていない。
(3年間の雇用で正規雇用義務化されるので2年11ヶ月で契約解除→再契約で正規化回避)
D外国人労働者の受け入れ
自民党は外国人労働者を日本への受け入れには非常に積極的動いている。
その外国人の大半は、主に製造業への技能研修生として受け入れられている。
外国人研修生の趣旨は”研修生の母国への技術支援、国際貢献”とされているが
その実態は、単純労働が圧倒的に占め、
研修制度とは名ばかりの単なる低賃金で働く外国人”単純労働者”である。
自民党は「国際競争力の維持と強化」を謳う経団連の提言を受け、
製造業への外国人労働者投入を認めたのである。(農業等にも幅広く投入されている)
労働力不足を嘆くならば、なぜ日本人を増やすような政策を取らないのか?
日本の労働市場の人手不足を補う為と称しながら
実際は非正規日本人労働者以上に安い賃金で働く外国人労働者を求めているに過ぎない。
もはや、外国人研修生制度は当初の技術支援による国際貢献の建前、
その二段目の建前である日本労働市場の人手不足解消ですら無くなっている。
最低賃金以下で働く外国人労働者は、既に日本の製造業に蔓延しており、
日本人労働者は出稼ぎ外国人との低賃金競争晒され、職を奪われている。
また、低賃金・長時間の拘束・過酷な労働内容により人手不足に陥った医療・介護業界へは
”国際的な人材交流が目的”としてフィリピンからの外国人看護師、介護士が受け入れが始まった。
人手不足を日本人労働者の待遇改善ではなく外国人に頼ろうと言うのである。
今後、他の発展途上国等からの受け入れも検討され、
具体的な受け入れ人数の制限や日本での労働期間規制、今後の明確な方針が不透明の為、
看護師、介護士を目指す日本人は減少し、人手不足に拍車を掛けている。
E外国人受け入れによる社会的コストの発生、第2の”在日”の創出の可能性
外国人受け入れは単に日本人が職を奪われるだけでは終わらない。
犯罪率の上昇等、様々な社会的コストの負担が発生する。
定住させた場合は新たな”在日”を生む可能性があり、
彼らの子の世代まで社会的コストを負担する責任を持つ事になる。
実際、今まで日本は某在日に対してあらゆる形で社会的コストの負担を強いられてきた。
某在日は日本が望んで受け入れたわけではないがのにも関わらず・・・。
それでも自民党は更なる外国人受け入れに動いている。
財界から強い規制緩和の要求を受けての対応だ。
単純労働者の受け入れを推進すべきだとの提言を出した経済団体すらある。
既に外国人労働者の研修期間、在留期間を3年から5年に延長する方針を固め、
将来的には期間の再延長や対象とする産業の拡大、規制自体の撤廃、
永住化、国籍付与まで検討している。
しかし、目の前の問題として、外国人の犯罪・失踪が挙がってきても問題は先送りされている。
これは外国人を受け入れたい日本企業への配慮だけではない、
中国国家主席の来日を控えた日中関係への配慮からだ。
中国では発展の裏で多くの貧困層を生み出している。
貧困は治安の悪化、経済劣化など自国に様々な悪影響を及ぼす事はわかっている。
中国は貧困層を日本へ送りつける事でコストを掛けず貧困層の底上げ、
外貨を獲得、中国共産党へ反発を押さえ込む事に一定の成果を挙げている。
国民が毒餃子で死に掛けても中国への思いやりを優先する
福田総理は今後も外国人受け入れを規制しないのだろう。
相手(中国)が嫌がることはしないと明言するのに
国民が嫌がることはなぜ「しょうがない、耐えて」と進んでやるのか?
F誰が新自由主義を望んだのか?
小泉政権は、先の衆院選挙を郵政事業民営化の是非”だけ”を問う選挙だと問いた。
労働の非正規化、低賃金化、外国人受け入れは選挙で一切触れられていない。
つまり、自民党は国民に聞いたわけでもなく頼まれたわけでもない労働政策を
経団連の提唱する方向へ”勝手に”進めているのである。
その提唱の一つ「雇用の流動化」は国民が全く望んでいないのは明らかである。
雇用の流動化とは経営者が必要な時だけ安く労働者を雇用し、
必要なくなったら労働者を解雇する単なる消耗品としての使い捨て雇用である。
2007年に厚生労働省傘下の独立法人の調べによれば、
日本の成人男女9割弱が雇用の流動化に反対、安定雇用を支持している。
新自由主義を望んだのは自民党、経団連、外資、投資家の富裕層である。
今、日本を動かしているのは国の為にならない事ばかりしている”愛国心のない人間”達である。
しかし、そんな人間に限って”なぜか”「日本人は愛国心を持て」と謳い求める。
G海外から逃げ帰ってきた日本企業、現代の奴隷制度を利用する日本
最近、海外工場から国内工場に逃げ帰ってきている日本企業が目立つ。
経営者は安い賃金を求めるのになぜ日本で工場に戻ってきたのか?
リスク、コスト、安定性、安全面、品質を総合的に考えると日本工場の方が優秀だからである。
特に中国では賃金が上昇し、リスクを考えた場合に
そのメリットは無くなったと言っていい。
(ただし、現地での摩擦を避けるために大企業が現地工場を作る場合がある)
また、逃げ帰ってきた企業の中には日本人を雇わずに外国人労働者を雇う動きが見られる。
日本が外国人労働者を受け入れ始めたのでわざわざ海外へ行く意味がなくなったのだ。
日本で生産しても外国人を雇って働かせているのであれば
メイドインチャイナと何ら変わらないのでは?という疑問が生じると思う。
実は大きく違う。
外国人を日本工場に連れてくればリスクを取らずにコストを下げる事ができるからだ。
監視が行き届き、低賃金で日本人並の労働が可能、商品に”国産”のブランドまで付いてくる。
外国人労働者に違法な労働をさせても罰則が無いに等しいので
文字通り”死ぬほど”労働させている企業が数多く報告されている。
彼らは日本では孤立しており企業の支配下におかれる。
逃げられないように銀行口座やパスポート、携帯、高額な保証金まで抑えている例も多い。
賃金から何かにつけて経費として天引されることも知らずに日本へ出稼ぎに来る。
母国に帰れば低賃金が高収入に変わると思ってるからだ。
欧米からは現代の奴隷制度と指摘され、(2007年人身売買報告書)
日本が語る人権とは何か?という疑問の声が挙がっている。