【通信】アイピーモバイル元幹部が語る携帯参入申請から破産までの内幕[07/11/15]
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やるっきゃ騎士φ ★:
ソースは
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT0f000015112007 http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT0f000015112007&cp=2 [1/3]
10月30日、アイピーモバイルが東京地裁に自己破産の申し立てを行った。割り当てられた
2GHz帯の周波数は一度もサービスを開始することなく、総務省に返還された。果たして、
これまでの騒動は何だったのか。元幹部が語る、アイピーモバイルの真実とは--。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム、イー・モバイルに続く6つめの
移動体通信事業者として新規参入を果たす計画だったアイピーモバイル。しかし、2006年
秋に開業予定だったはずが、数回延期を繰り返す始末。その間、株式がマルチメディア総合
研究所から森トラスト、さらにはアメリカの通信事業者であるネクストウエーブ・ワイヤレス、
最後には社長であった杉村五男氏個人に譲渡されるなど、紆余曲折を経て破産。姿を消して
しまった。
■「ポケットの中のブロードバンド」で業界を変えるはずだった
2005年11月9日、総務省はソフトバンク、イー・アクセス、そしてアイピーモバイルに
携帯電話事業の免許を与えた。その後、ソフトバンクはボーダフォンを買収して既存事業者に
なり、イー・アクセスは2007年3月にイー・モバイルとして新規参入を果たした。
アイピーモバイルは、「ポケットのなかのブロードバンド」というキャッチコピーで、音声
通話サービスは行わず、モバイルデータ通信のみで事業を開始しようとしていた。なぜなら、
「TD-CDMA」というデータ通信に優れた方式で免許を取得していたからだ。
アイピーモバイル元幹部は「TD-CDMAが優れた技術であるという認識はいまでも間違って
いないと思う。上下非対称で、バックボーンを交換機ではなくルーターで構築できるので、
W-CDMAなら全国で1兆円近くかかるネットワークへの投資を10分の1でできる見込みも
あった。杉村さんはかつて東京めたりっく通信を手がけていたこともあり、ブロードバンドと
いっても実際は平均数百kbpsしか使われていないことを知っていた。セル設計の仕方を工夫
すれば定額制は充分に実現できるというのは確実だったし、その判断は今振り返っても正しい
と思う」と語る。
実際、TD-CDMAは将来を嘱望された方式だった。かつてイー・アクセスとソフトバンクは
2003年末にTD-CDMA方式の予備免許を取得、実験に着手した経緯がある。しかし、両社とも
TD-CDMA方式での事業化は断念し、いまに至っている。元幹部は「当時、TD-CDMAは評価
されていて、各社が相次いで予備免許の取得に動いていたが、一方で『何それ?』という声も
あった。TD-CDMAで端末や基地局を作れるベンダーが存在せず、結果、イー・アクセスや
ソフトバンクは降りてしまった」と当時の状況を説明する。
では、なぜアイピーモバイルはTD-CDMA方式を選んだのか。「当時、アイピーモバイルは、
端末のラインアップは必要ないと考えていた。MBG(モバイル・ブロードバンド・
ゲートウェイ)が1台あればいい、という発想だった。アプリケーションのために端末の
ラインアップを広げる必要はないという判断があったから、あえてTD-CDMA方式で参入
しようとした」(元幹部)
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MBGとは、同社の「ポケットのなかのブロードバンド」というキャッチコピーを実現する
ための重要なコンセプトだ。MBGは弁当箱サイズの端末で、TD-CDMA方式で基地局と通信を
行い、Wi-Fiに変換して周辺に無線LANスポットを作り出す。MBGをカバンのなかに入れて
おけば、自分が持っているノートパソコンや「ニンテンドーDS」「プレイステーション・
ポータブル(PSP)」でどこでもネットに接続できる。まさに「無線LANスポットを持ち歩く」
感覚だ。たしかにMBGに様々な種類の端末は必要ない。弁当箱サイズのMBGが1つあれば、
ノートパソコンや携帯ゲーム機など無線LAN機能を持つあらゆるモバイル機器が端末となる。
■親がいなかったのが最大の不幸
技術的にもコンセプト的にも決して筋が悪くはなかったアイピーモバイル。では、事業化に
こぎ着けなかった最大の敗因はなんだったのか。
「アイピーモバイルにとって最大の不幸は『親』がいなかったこと。当初の主要株主だった
マルチメディア総合研究所は、もともと(TD-CDMAの技術を開発する)アメリカ・
アイピーワイヤレス社の代理店だった。本来なら、マルチメディア総合研究所は、
TD-CDMAの技術そのものをアイピーワイヤレスから調達し、ソフトバンクや
イー・アクセスに売るつもりだった。
しかし、両社がTD-CDMAでの参入を見送ったため、仕方なくマルチメディア総合研究所が
自らアイピーモバイルを立ち上げて参入したというのが背景にある。だから、
マルチメディア総合研究所は『親』になれるような資金は持ち合わせていなかった」(元幹部)
NTTドコモにはNTT、auにはKDDIと京セラ、かつてのJ-PHONEにはJRという「親」がいた。
携帯電話事業は、投資を回収するまでの時間が必要で、後ろ盾となる親がいなければ、
金融機関もついてこない。「通信事業ははじめからファンドの資金をあてにするような事業
ではない。アイピーモバイルに出資していたIIJグループのアイアイジェイテクノロジーや
CSKプリンシパルズも親になろうとはしなかった。ベンダーやメディア企業も、NTTドコモと
喧嘩してまで、ベンチャー企業に投資する気概はない。親が見つからなかったのが敗因」
(元幹部)という。
アイピーモバイルが免許を取得し、森トラストに株式譲渡された際は、業界関係者や
マスコミ関係者のなかに「もともとアイピーモバイルは転売して儲けようとするのが
目的なのではないか」という、うがった見方をする人間もいた。実際、本気で事業を
やる気はあったのだろうか。
「アイピーモバイルに出資した人たちは(転売されても事業を続けても)どっちでも
よかったのだと思う。しかし、杉村社長や経営陣は本気で自分たちでやりたがっていた。
そのあたりの考えは、出資者なのか経営者なのか、置かれている立場によって違うと思う。
しかし、すべての人間の共通認識として、まずは事業を立ち上げなくてはという使命感は
あった」(元幹部)
■ドコモに身売りすることも考えたが
親がおらず、多額の資金が集まらないなかで、開業のタイミングは刻々と迫っていく。
そんななかでアイピーモバイル経営陣は、様々な道を模索し始める。そのひとつが
NTTグループに近づくことだった。
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「NTTドコモが採用するHSDPA方式は、データのトラフィックが混んでくると
パフォーマンスに限界が出てきて、音声にも影響を及ぼしかねない。なので、
NTTドコモに音声はW-CDMA、データ通信はTD-CDMAといった2つの方式の
組み合わせを提案することを検討した。
さらにデータ通信に強いTD-CDMA方式なら、IPマルチキャストの技術を使いながら、
複数の端末に一斉に配信する放送型のサービスを提供することも可能だった。KDDIと
ソフトバンクモバイルは『MediaFLO』でそのようなサービスを実現しようと動き出して
いるが、NTTドコモはどの方式にしようか決めかねている状態。手をつなげるチャンスは
充分にあり得た。うちが順調に高速データ通信サービスを開始し、3年後にNTTドコモに
身売りする、という目論見があった」(元幹部)
また、もうひとつの議論として、大手ADSL事業者とひとつになる、という可能性も
検討したという。大手ADSL事業者はADSLでキャッシュフローは良くなっているが、
ブロードバンド事業は今後、急激な成長は見込めないだけにワイヤレスでの進出を
模索している(すでに何社かはモバイルWiMAX事業で免許申請した事業体に参加している)。
ADSL事業者が親となり、ADSLで資金を稼ぎつつ、ワイヤレス事業を立ち上げれば、
ADSL事業者もアイピーモバイルも明るい将来が期待できた。仲介役も立て、すでに
関係者の了解を取りつつあったが、土壇場になって破談。今度は森トラストに助けを
求めたのだという。しかし、森トラストもまた親になる気はさらさらなかった。
森トラストは一時的なピンチヒッターで、次に引っ張ってきたのがネクストウェーブ
だった。しかし、ネクストウェーブが本気でやりたかったのはモバイルWiMAX。こちらも
失敗に終わった。
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■逆転シナリオの成功確率は5割程度だった
この頃になると、起死回生へのシナリオを描いていた経営陣も離れ、内部抗争が起き、
さらなる迷走によって、最後には破産の憂き目に遭うこととなる。様々な逆転シナリオを
描いていた経営陣たちは、これらの戦略が、どれくらい実現性があるものだとして、
奔走していたのだろうか。
「成功確率は5割程度だと思っていた。しかし、既存のキャリアが1兆円をかけて
ビジネスモデルを構築しているところに、TD-CDMAというポテンシャルのある技術を
使い、10分の1のコストで戦っていくという面白みはあった。アイピーモバイル単体では
行くことは考えず、どこかと組むことを考えたが資金がうまく集まらず、最後の一手が
打てずに負けてしまった。だが、上手く回れば、成功するはずだった。ベンチャーとしての
限界を感じた」(元幹部)
社長を務め、最後は個人で株主として奮闘した杉村五男氏について、元幹部は「彼は
政治的なことは一切考えてない人。ADSLのような無線をやりたくて、その理想を
追い求めていた。社内で、杉村さんはみんなの精神的な支えになっていた。こつこつ
やっていけば何とかなるかと思っていたが、モバイル業界ではその考えは難しかった
ようだ」という。
アイピーモバイルのコンセプトは、これまでのケータイ業界を変える可能性が充分に
あった。しかし、どんなに良い技術、コンセプトがあっても、あまりにも巨大すぎる
既存事業者に対し、親のいない小さなベンチャーはまるで歯が立たなかった。
いま、業界はモバイルWiMAXやMVNO(仮想移動体通信事業者)など、様々な技術や
仕組みで競争環境を促進しようとしている。スピードの速いこの業界では、もはや
アイピーモバイルのことなど忘れ去られようとしている。彼らがもがき苦しんだ経験は、
きっとこの先、この業界に様々な形で参入しようとする会社にとって、よい教訓と
なることだろう。
-以上です-
関連スレは
【通信】アイピーモバイルが自己破産、割り当て携帯周波数を返上[10/30]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1193722969/l50
5 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/15(木) 13:38:00 ID:PImF+Imx
通常の事業なら兎も角、
国家の財産である限られた電波資源を利用する免許制事業に携わる企業が、
成功率5割!程度で参入するなと 8割でも低いだろ
総務省は、これからは免許審査の際には、厳しくチェックするように頼む
(現時点でも改善し始めたようだが)
6 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/15(木) 13:58:10 ID:3a82PlqI
イーアクセスという赤貧の親から産まれたイーモバイルですら電波出してるのに…
潰れた理由がよくわかる。この患部…幹部じゃ
8 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/15(木) 14:43:27 ID:MQ1MRrO8
東京めったくり
杜撰、愚劣、日和見
国民の重要財産を放置するなどと、まさに21世紀の国賊。
10 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/15(木) 14:53:13 ID:EBODwSGA
要は金が集まらなかったってことでしょ
>>10 まあ、記事は金さえ集まってればって感じだが
はたして1/10のコストとかMBGなるものでうまくいったかねぇ
>>Wi-Fiに変換して周辺に無線LANスポットを作り出す。MBGをカバンのなかに入れて
おけば、自分が持っているノートパソコンや「ニンテンドーDS」「プレイステーション・
ポータブル(PSP)」でどこでもネットに接続できる。
この構想は、任天堂・ソニーにとって凄く魅力的だったと思うんだけど、
欠陥があったから蹴られたんだろな。
>>11 MBG の発想はありというか
イーアクセスでもウィルコムでも普通に作れるはずのものだけどね
14 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/15(木) 15:20:13 ID:v8DSpUes
本当に幹部か?杉村以外の幹部の語り口ではない。
NextWaveが本当にやりたかったのは、モバイルWIMAXではなく、MBMSだ。
そんな基本的な事実を知らないのは、幹部じゃない。
YOZANとどっちが上?
16 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/15(木) 15:53:57 ID:PImF+Imx
>>15 事業が継続している分YOZANのがマシだが、
どちらも糞なことに変わりは無いよ
アフォルダー涙目
>>10 そのとおり、別に難しい話じゃない。
資金調達なんて水物。
俺投資関連の仕事してるから良くわかる。
他社との力関係、人脈、その時の突発的な環境変化(マスコミ報道とか事故や不祥事など)そんなの一つで資金調達なんて規模の大小かかわらずどうにでも転ぶ。
「こいつら、スゲ!!」って会社に誰も金入れなかったり、
「お前らアホ?」って会社に信じられん単位の金ぶち込んだり、
そんなの日常茶飯事。
YouTubeの創業者も「どのベンチャーキャピタルからも見放されて最後の一社がやっと出してくれた、でもその入金もあと一ヶ月遅かったらもうつぶれていた」らしい。結果は巨万の富を得ているわけだ。
Googleも何十というベンチャーキャピタルに断られてる。
この世界の「プロ」なんてそんなもん。
けったくそ悪いけど給与めちゃめちゃ高いからやめられん、、、、、、。
> MBGは弁当箱サイズの端末で、TD-CDMA方式で基地局と通信を
> 行い、Wi-Fiに変換して周辺に無線LANスポットを作り出す。MBGをカバンのなかに入れて
> おけば、
鞄の中がかさばるし、じゃまな気がしないでもない。
要するに金がなかったってことだろ。
日本では金がないと信用も得られないからな。
ホリエモンが居れば金を出すこともあったかもしれないが、だからこそ国策捜査で潰したんだし。
既得権益マンセー大国ニッポン
20 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/15(木) 18:50:59 ID:RNaK7gYs
MBGと同じ機能を持たせるプロ串ソフトが、ウィルコムのW-ZERO3用に有るが、
大して使う人も居ないしなあ。長時間持たせるのに外部電池を繋ぐと重くてな。
21 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/15(木) 20:00:59 ID:MPVrf6XJ
お金を集めるのも仕事だよ。技術だけではダメだ。
ホンダの藤澤武夫、ソニーの盛田昭夫に相当する人物がアイピーモバイルには
いなかったのだろうね。
22 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/15(木) 20:09:11 ID:aDvVXl0u
>>21 愛知とか中部地区出身の人が必要ということか・・・・・・。
堅実だが大胆なO型人間が必要なんだねぇ。
>>20 それは W-ZERO3 の問題だと思う
あと WILLCOM 回線の安定性の問題もあるか
イーアクセスは3000億の資金調達を
30歳の一社員にまかせて成功させてる
単純に自分たちが無能だっただけ
>>12 計画エリアが致命的。
数年間は東名阪しかやらない予定だったからゲームメーカーは参入しづらかったはず。
>>23 そんなのは問題じゃ無い。
一番は速度。
速度が遅いからわざわざ他の機器を繋ぐ意味が無い。
どうしてもそれを使いたいからって奴しか使ってないよ。
(たとえばiPod Touchとか)
26 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/16(金) 06:45:30 ID:jypdm6aN
免許竹中がごり押した事実は無視か?
・
28 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/20(火) 08:18:26 ID:/A7GmFXY
外資が参入するとか。
29 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/20(火) 09:03:58 ID:YrA631Zj
おりゃ、IPトークとIPモバイル混同してた。すまん。
イーアクセスはGSの人間いるじゃん
>>25 速度が遅くてもパケが詰まらなきゃ使い道はあるんだよ
どっちにしても現状の WILLCOM じゃ無理って判断は変わらんが
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34 :
名刺は切らしておりまして:2007/11/23(金) 22:19:12 ID:CNUKoUy4
空前の大恐慌によってほぼ全ての企業がドミノ倒しのように倒産することだろう!
搾取的資本主義体制は花火のように爆発して崩壊する!
アメリカの経済学者 ラビ・バトラ氏
「どんなに遅くとも2000年までに共産主義は断末魔の苦しい革命を経て
崩壊し、2010年までに資本主義は崩壊する。」
「資本主義の崩壊(世界同時大恐慌)は住宅バブル・原油バブルの2つのバブルの崩壊に
端を発するNY株式市場の大暴落から始まるだろう。資本主義は花火のように爆発する。」
「世界同時大恐慌の入り口は2005年。そして2010年までに
『搾取的資本主義』は崩壊するだろう。」
(大恐慌・資本主義の崩壊によって)
「日本と世界は同時に崩壊する。」
ラビ・バトラ氏の恩師、サーカー師
「共産主義は早死にするだろう。資本主義は爆竹のように弾けて終焉するだろう。」
経済アナリスト 藤原直哉氏
「世界同時バブル崩壊によって世界金融システムは麻痺し、日本は飢餓に陥るだろう。」
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