日本企業のロシアビジネスが多様化してきた。
中国、インドに次ぐ成長市場であるロシアにはトヨタ自動車を皮切りに自動車メーカー各社が進出。
これが呼び水となる形で進出企業の業種が拡大している。
日本食ブームに乗り、食品メーカーや商社が高級食材の販売を展開。
大手証券は、日露企業のM&A(合併・買収)など投資銀行業務を念頭に拠点開設を急ぐ。
進出地域もロシアに加え、カザフスタンやウクライナへと広がっている。
≪高級食材ブーム≫
ロシアから政財界の有力者約250人が参加し東京都内で5日開幕した「国際ビジネス会議」。
日本側のスポンサーには、サントリーと証券大手の野村ホールディングスが付いた。
いずれも、ロシアビジネスの拡大を期待した戦略的な支援だ。
ロシアビジネスで現在、最も盛り上がっているのが、日本食ブームを背景とした富裕層向けの高級食材だ。
サントリーは昨秋からモスクワとサンクトペテルブルクの2大都市を中心に、自社の高級ウイスキーの販売を始めた。
当初は超富裕層をターゲットにしていたが、「最近は2大都市以外の地方で売り上げが大きく伸びており、
消費の中心となる中間層が育ってきているようだ」(向山繁ロシア室長)と期待をかける。
年内には、販売都市を60都市まで拡大する計画だ。
キッコーマンは欧州全域をカバーするオランダ工場で生産したしょうゆを2001年からロシアに出荷し販売している。
同工場では年間1万キロリットルを生産しているが、極東を含めたロシア向けは、
「消費量が年々倍増しており、今年は全体の20%に迫る勢い」
(島田政直キッコーマン・トレーディング・ヨーロッパ社長)という。
かつてロシアでは安価なしょうゆの模倣品が流通していたが、スーパーマーケットでの
デモンストレーションやレストランでの試食会など地道な普及活動を展開。
「いまは日本食だけでなく、ロシア料理などの調味料として受け入れられている」(島田社長)。
05年から販売を始めたウクライナでも販売は好調で、今年は前年の1・5倍の売り上げを見込んでいる。
「しょうゆ」とくれば、次はすしネタの「鮮魚」。大手商社の双日は今年4月にモスクワに水産物の担当者を配置した。
欧州諸国では健康志向もあって魚の消費量が増えているが、「ロシアでも同じ傾向が見られる」
(水産流通部)ためで、マグロなどの鮮魚を高級食材として日本から輸出する計画を進めている。
9月中旬にはモスクワで開かれた業者向けの見本市に参加。
地元のレストランやスーパーなどから、小口ながら多くの引き合いがあった。
現時点では日露間の鮮魚の通関手続きに手間がかかるため、輸出にはある程度の受注量の
確保が必要となるが、「ニーズはあるので年内めどに何とか出荷できれば」(同)と意気込んでいる。
ソース(
>>2以下に続きます)
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200711060042a.nwc