【金融】銀行と情報システムにまつわる4つの幻想…支出額や新技術は必ずしも成果に結びつかない[11/05]

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1物質混入φ φ ★:2007/11/05(月) 04:31:03 ID:???
マッキンゼーのビジネス・テクノロジー・グループでは、欧州とアジアの銀行を対象に、
毎年、情報システムについての多面的なベンチマーク調査を行っている。
調査内容はIT(情報技術)投資の内訳、要素コストのような定量的な項目から、
IT組織の仕組みなど定性的なものまで多岐にわたる。

2007年の調査結果(データは2006年のもの)がまとまった。
今年は74行からの協力を得た(ただし日本は未実施)。
日本の銀行や金融機関、ひいてはその他の業界の企業にとっても示唆に富む内容なので、エッセンスをご紹介したい。

銀行業界が信じてきた4つの幻想

銀行業界で、IT投資の成果を最大化する際にカギを握ると信じられていることがある。
だがそれらは必ずしも正しくなく、幻想であるということが4つの点で明らかになっている。

まず、IT支出の多寡と利益率の間にはほとんど相関関係がない。
IT支出を増やすことが残念ながら多くの利益を生み出すことにはつながっていないのである。
平均以上のIT支出を行っている銀行では、利益率が低くなっているという逆相関の傾向すら見られる。

この図を見ていただきたい。

 IT支出比率とコスト効率性の関係(欧州・アジアの74銀行の調査より、2005〜2006年の平均値)
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071029/138902/761p.jpg

収益に対するIT支出比率とコスト比率の2側面から、各銀行をプロットしたものである。
本来ならばIT支出が高ければ全体の費用効率が良い。
すなわち左上から、その逆の右下に向けた相関関係が表れるはずであるが、全くもって相関関係が認められない。
なお、右上の象限は IT支出が少なく費用効率が高いということになるので、
これを高パフォーマンス行として以下では説明を進めたい。

第2に、銀行の規模とIT投資の成果との間にも、ほとんど相関関係がないという事実が明らかになった。
もう一度図を見ていただきたい。プロットされた各銀行の収益規模別に大、中、小と色分けがしてあるのだが、
ここでも一見して分かるように、収益規模の大小と図の上でのプロットのされ方には因果関係がない。
小さな銀行でも右上の象限に頑張っている銀行もあるし、大きな銀行でも左下に位置する銀行も多いことが見て取れる。

第3に、使われている情報システムのハードウエアやソフトウエアの新しさとIT成果の間にも
相関関係がないことが分かった。
高パフォーマンスの銀行を取り上げても、半分はシステムプラットフォームが5年未満の新しいものである一方、
半分は古くておそらくは融通が利きにくいプラットフォームを使っている。

最後に、銀行が所在する国による差もほとんど存在しない。
各国固有の規制やコスト構造によって、国による差が出るように感じられるが、
そうした国や地域による差はほとんど存在しておらず、規制コストが高いと思われる国においても
高パフォーマンスの銀行は存在するし、反対も存在するのである。

>>2-5へ続きます)

日経ビジネスオンラインのコラムより抜粋
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071029/138902/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071029/138902/?P=2
2物質混入φ φ ★:2007/11/05(月) 04:31:18 ID:???
(>>1の続き)

では、高パフォーマンスの銀行に共通して見られる特徴は何だろうか。
高パフォーマンス行とそれ以外を比較・分析してみると、3つの特徴が浮かび上がってきた。

(1)アウトソーサーに依存しすぎない

第1に、システム運用を外部に委託(アウトソース活用)している割合と、社内で行っている割合を比べると、
社内運用の割合が高いという特徴が浮かび上がった。

IT支出の中でアウトソースに払う費用の割合を見ると、高パフォーマンス行は
低パフォーマンス行の約4分の1であった。また、高パフォーマンス行はアウトソースする場合でも
厳密なベンダー管理を行っている。逆にフルアウトソース(インフラのみの場合も含む)を追求している
少数の銀行では、ハードウエア価格の急落やビジネス環境変化への対応の柔軟性のなさに苦労している。

(2)イノベーションの創造に投資する

次に、高パフォーマンス行は業務オペレーションの改善にお金を使うのではなく、
新サービスや新機能などを活用してイノベーションを生み出すことに IT支出を多く使っている。
特にトップクラスでは新サービスや新機能に対する支出が45%のところもあった。
この結果、新商品の導入リードタイムが3〜6 カ月となっている。

(3)シンプルなアプリケーション体系

第3に、アプリケーションの種類が少ない点がある。高パフォーマンス行の中でもトップクラスでは
350程度のアプリケーションしか保有しておらず、それ以外の平均の1250をはるかに下回っている。
「Simplify to win(単純化することで勝つ)」という言葉をキーワードにしている銀行もあった。


以上が今年のベンチマーク結果を分析した内容である。
規模や地域特性、さらには支出額、新技術の導入が必ずしも成果に結びついていないというのは
日本も海外も同様と思われる。
また、アウトソースへの過度の依存がパフォーマンス低下に結びついているのは衝撃的な事実である。
日本の銀行、金融界、そしてその他の業界の企業においても当てはまる点が多いのではないだろうか。

日経ビジネスオンラインのコラムより抜粋
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071029/138902/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071029/138902/?P=2

依頼あり
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1192684572/691
3名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 04:37:40 ID:S/NzM653
4名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 04:45:18 ID:ykAu/uNh
全否定だな
5名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 04:57:10 ID:FbIompXC
おおむね合ってるよ。でも情報システムはなくならないよ。

振込みに100円ちょっとかかるわけだが大企業とかだと銀行に出す用紙だけですさまじい金額になるから
どこもTPに数千件から数万件のデータを入れてTP一本1000円とかで振り込みやってるからね。

現実的にそれらの量の振込みを紙に印刷してやり取りすると情報システムの構築にかかる予算を
うわまわるとんでもない人件費がかかる。


アウトソースはおおむね同意だね。
アウトソースにかかる費用は年々増加していっているからね。

汎用機のOPで80から100くらいで銀行の情報部門の子会社は独立系にだしている訳だが
アウトソースされる末端の請負社員は18から20くらいの給料だからね。
まともな人材はまず来ない。

ちなみに独立系に頼むとき、昔はOPで60から80だった。
ちなみにそのころの末端が受け取る給料は今と同じ18から20だった。

いまITが新3Kとか7Kってよばれてこの状態を見れば
なぜアウトソースすると1年未満の現場がほとんどかわかるよね。
6名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 04:58:49 ID:uWqBDHsv
昔から言われてることだろ
何で今更?
あえて念押しのつもりで記事になったのか?
7名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 05:08:36 ID:FbIompXC
中小企業とかだと情報システムにカネを使わないほうが利益が出ることも実は結構ある。

カネ使ってくれないと潤わないから言わないけどね。
8名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 05:13:06 ID:72glCJih
>>6
言われていることとデータを示すこととは違う
9名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 05:14:24 ID:uWqBDHsv
>>8

そうか
無知晒してすまん
10名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 05:33:52 ID:vor1h958
ITの活用目的は大きく分けて2種類だと思う
1.情報を流すだけのルーチンワークを簡素化する
2.経営判断のための情報を上手に集める
ここら辺をちゃんと考えて導入しないといけないから、
>>2の(1)(2)(3)の傾向通りなんだろうな
11名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 06:26:44 ID:AqdIIKPp
素直な>>9に萌え。
12名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 07:12:59 ID:cQlxEshS
アウトソースについてだが
社員はサビ残、サビ出をするが、アウトソース会社は本人に金がわたるのかは別にして
金を取るってのが情シス系では効いてくるんじゃないかと思う。
13名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 07:22:33 ID:e7CM4539
>>9
俺も萌えた。
14名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 12:28:41 ID:Pi+c+GeL
おまいらも勝とう。

http://equity.web.fc2.com/
15名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 12:40:58 ID:uSbG1c8K
このテーマは昔、話題になったことがあったね。

単純な話で、ITはもはや誰でもほぼ同じ性能を享受できる社会インフラだから、
それだけでは競争力の源泉にはならないってことだよ。

オフィス中に電源コンセントが設けられていても、
それだけでは何の強みにもならないのと同じこと。

と、>>1すら読まずにカキコ。
16名刺は切らしておりまして:2007/11/05(月) 12:44:51 ID:9uybdddi
結局、竹中がやってきた政策が否定された。
17名刺は切らしておりまして
日立が関わるから効率が悪い