住友電気工業は高度道路交通システム(ITS)事業を拡充する。
信号制御機が交通状況に応じて自律制御を行う「端末分散型信号制御システム」を開発、
2010年3月期をめどに事業を本格化する。
従来は中央制御のため交通情報取得から信号制御に反映するまでに
数分遅れるのが課題で、より精度の高いシステムを求める声が多かった。
渋滞緩和や、自動車の発進・停止を減らせるため環境負荷低減に貢献できる。
国内だけでなく、環境問題への関心が高い欧州などへも売り込む。
端末分散型信号制御システムは自動車の移動時間が従来の中央制御システム比で
10―15%短縮できる。路上の超音波感知器などが各自で検出した交通情報をもとに
次の信号までの車の到着時間を算出する。
信号制御機と感知器は有線・無線LANで車両到着予測情報を交換し合い、
信号灯が一巡する周期長、交差点での青信号時間の比率、隣接する交差点の
青信号開始時間のずれという三つの指示事項(パラメーター)を生成して最適な信号制御を行う。
渋滞を減らすことで、1交差点当たりで年間25トンのCO2削減を実現できるという。
導入地域の交通量によって、交通管制センターの中央制御装置と信号機が連携する
「ハイブリッド方式」と信号機同士で完全自律制御を行う「端末自律方式」を使い分ける。
警察庁主導のモデル事業として06年度に横浜・みなとみらい21地区などで試験運用を開始。
今年度からは効果測定も行い事業化に向け開発を進めている。
ソース
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0120071024015bjac.html