松阪牛に関する総合学習に取り組む松阪市天白小学校の児童が牛の
生産過程をつづった絵本「松阪牛物語」が、社団法人・中央畜産会(東京)によって
ビデオ化されることになった。
牛の姿を通して生命の重みを訴える内容で、十一月末に完成し、
全国各地の畜産関係者らに配布される。
「松阪牛物語」は、天白小を今春に卒業した児童たちが制作。
肥育農家や屠畜(とちく)場の見学をもとに、牛の誕生から食卓に上るまでを、
牛の言葉として記した短文と版画で表した。
「もうわたしは、牛ではなく肉になりました」など、解体されていく牛の様子も描き、
食生活を支える命への感謝を表現した。
絵本は県畜産協会(津市)の協力を得て製本し、三月に近隣の小中学校や公共施設、県内外の
肥育農家などに配布。
教育関係者や畜産業者などから「農家や牛の気持ちが伝わってくる」
「子どもに読み聞かせたい」との声が寄せられるなど、大きな反響を呼んだ。
同協会から絵本を受け取った中央畜産会も、食物への感謝を説く教材として高く評価。
「食育事業」に活用することを決め、先輩たちに続いて八月から松阪牛学習に
取り組む六年生を主役に啓発ビデオの撮影を始めた。
撮影は十一月下旬に完了し、絵本の内容に沿って編集。
ビデオとDVDに収録し、年内には中央畜産会の食育事業に参加する
全国二十八都道府県の畜産協会などに配られるという。
中央畜産会の山崎雅弘主査は「あえて解体場面などを描写して命の大切さを伝えている。
ぜひ残したいと思った」。天白小の中野恭校長も「子どもたちの活動が評価されるのは光栄。
多くの人たちに絵本の良さを知ってもらいたい」と話している。
ソース
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20071020/CK2007102002057668.html 画像
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