医療用器具・機器製造のケイセイ医科工業(東京)は、
燕市にある新潟工場敷地内に新たな生産施設を建設した。
同社では、手術用の針と糸が一体となった製品「針付き縫合糸」などのOEM
(相手先ブランドによる生産)が拡大しており、新設備の稼働でコスト競争力を強化し、
さらなる受注を獲得する考えだ。
同工場で3棟目となる新施設は、2階建てで延床面積は約1900平方メートル。
このうち約1600平方メートルが無菌エリアで、従来のおよそ3倍に拡大した。
生産機器を含めた総投資額は約5億円。今年4月に着工し、先月末から稼働を始めた。
同社は現在、年間約60万本の針付き縫合糸を製造しているが、
新施設完成で、140万本まで生産が可能になるという。
カテーテルやメス、自社開発した医療用ホチキスの製造も行う。
これまで国内の医療機器・機具メーカーの大半は、製品を主に海外企業へのOEMで調達していた。
だが、2005年の改正薬事法施行で、製品の安全性確保などの面から輸入が規制されるようになり、
国内メーカーに生産委託をシフトするようになった。
このため同社も昨年は、針付き縫合糸の生産量が倍増するなどした。
同社は、従来の設備では需要に応じ切れないと判断、新施設の建設を決めた。
笹崎淳技術部長は「現在の状況は、国内メーカーにとって大きなチャンス」と強調。
生産の自動化や新商品開発を通じて、年間12億−13億円で推移している売上高を伸ばしたいとしている。
ソース
http://www.job-nippo.com/news/details.php?k=1802