−−千葉県市川市に長崎ちゃんぽんや豚カツの宅配専門店「リンガーズ」を初めてオープンした
「九州では既存の店舗に併設する形をとり、8店舗で宅配を始めているが、順調だ。今度は宅配専門で
どこまでやれるか。うまくいけば、来年度(来年3月以降)から一気に店舗数を増やす。宅配は、利便性を
お客さまに届ける業態に挑戦する意味がある。少子高齢化が進むなかで、お米や水などもそろえた
『街の御用聞き』を目指している。今期末(来年2月末)までに20ぐらいの宅配拠点ができると思う」
−−食材、パート賃金、店舗賃料などコストの増加要因が目立つ。従来のレストラン型店舗は厳しい
状況が続いている
「6月以降の売り上げは少しずつ順調になってきたが、正直言って苦しい。ただ、われわれの努力が
足りない部分もあるはずだ」
−−赤字体質から脱却するために、具体的な収益改善策はあるのか
「新しい形態としては、ショッピングセンター(SC)への出店を考えている。出店コストを抑えることが
可能で、営業時間も短い。また、2年前に14店だったフランチャイズ(FC)店も、既存店舗より出店コストを
下げられるメリットがある。FC店は今では70店以上に増えたが、このまま順調に拡大すれば収益構造を
変えられるだろう」
−−食品や外食の値上げが相次いでいるが、リンガーハットではどう対応するのか
「昨年9月に長崎ちゃんぽんの価格を改定したばかり。今は価格をいじれる段階ではない。(値上げは)
品質・サービスの裏づけがないとできない」
−−日本マクドナルドや、カレーチェーンの壱番屋が導入した「地域価格差」制度も外食業界で話題だが
「当社でも地元の九州と、首都圏では価格を一部変えていた。私はある程度、地域価格差は必要だろうと
考えている。そうしなければ、サービスや商品の品質向上など次への投資ができない。ただ、安易な
価格変更ができないのは当然のことだ」
−−コスト増という逆風が吹くなか、経営の基本に据えていることは何か
「10年後に花開くかもしれないビジネスの芽を育てないと企業は変わらない。古いビジネスに
固執していたのでは、生き残ることはできないだろう。一方で外食産業である以上、商品の品質をいかに
維持、向上するかが命だ。イカやエビなど使っている食材は、この1年で品質向上を図った。あとは
サービスの質も上げること。これらが原点と思う。お客さまには当社の商品・サービスで、小さな楽しさを
感じてもらえればうれしい」(西川博明)
【プロフィル】八木康行 やぎ・やすゆき
昭和49年、日本マクドナルド入社。平成14年に社長兼COO(最高執行責任者)に就任し、
16年5月退社。同年9月、リンガーハット顧問を経て、17年5月から現職。東京都出身、56歳。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/92527/ 【外食】「長崎ちゃんぽん」のリンガーハット、赤字拡大
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1191650628/