【派遣】「佐川」に行ったら別会社 グッドウィルの日雇い−赤旗− [10/13]

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1 ◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7c(初代biz+ 支局長)φφφφ ★
★ハケン集う駅 追跡グッドウィルの日雇い 「佐川」に行くと 別会社

JR京葉線の二俣新町駅(千葉県市川市)。周辺は東京湾に面しており、大企業系列の倉庫が立ち並び、
運送業者のトラックやクレーンが目立ちます。昼間は人影がほとんどない小さな駅ですが、早朝と夜の
特定時刻だけ、派遣労働者の集合場所として、若者であふれかえります。

「駅前の戸外のベンチで、野宿する若者も一日に二、三人はいます」(駅前のタクシー労働者の話)

●二重派遣だ
七月、ある日の早朝、この駅前に集合し、大手派遣会社グッドウィルの日雇い派遣の労働をしたという
都内の男性はいいます。

「佐川急便の配送センターの倉庫作業だという説明を受けて、自宅を朝六時ごろに出発し、駅前に
朝八時に集合して仕事をしました。しかし、佐川の人に連れていかれたところは、ハピネットという会社。
これは二重派遣だと思いました」

この派遣労働者がグッドウィルから受け取った「就業条件明示書兼労働条件通知書」には、「派遣先」の
欄に「佐川グローバルロジスティクス」と「HP(ハピネット)」の二つの社名がありました。ハピネットは、
玩具などの製造・販売をする大手企業(本社・東京都、東証一部上場)。

仕事は、倉庫内で「ハピネット」という名前の入ったポロシャツを着た男性が指揮をし、約六十人の若い
男女が働かされたといいます。

「二重派遣」とは、派遣会社から、ある会社に派遣され、そこからさらに別の会社に派遣されて働かされる
ケース。派遣労働者に対する雇用主の責任をあいまいにし、二重の中間搾取(ピンハネ)で、賃金も
いっそう引き下げられてしまいます。

実際、今回の仕事では、一日の手取りが六千五百円程度(税引き後)。自己負担の交通費を差し引くと
時給七百円にしかなりません。当時の東京都の地域別最低賃金七百十九円を下回ります。

厚生労働省は「二重派遣は、労働者派遣法の想定する派遣とは違うので、職業安定法四四条が禁じる
『労働者供給事業』にあたり、違法だ。経営者は行政指導を受け、従わない場合は、刑事罰として
一年以下の懲役、または百万円以下の罰金になる」(需給調整事業課)といいます。

●会社認める
それぞれの会社の担当者に問い合わせると、ハピネットは「佐川グローバルに業務を委託し、ハピネットの
ポロシャツを佐川グローバルの者に着せていた。佐川グローバルが雇った労働者に、ハピネットの倉庫で
働いてもらっていた」(同社東日本ロジスティクスセンター責任者)といいます。

一方、佐川グローバルロジスティクスは「最近までの六年間、派遣労働者を集めて、ハピネットの倉庫と
資材で仕事をさせた。現在はやっていない。佐川グローバルが所有する資材は基本的に持ち込んで
いなかった」(同社東日本センターの当時の責任者)といいます。

二社の責任者は、ハピネットが佐川グローバルを経由し、グッドウィルの派遣労働者を使うという巧妙な
「二重派遣」であったことを事実上、認めたことになります。

グッドウィルの派遣労働者の男性が最近受け取った「就業条件明示書兼労働条件通知書」には、五種類の
仕事のうち、「派遣先」の欄に二つ以上の社名があるのが三種類。「二重派遣」が横行していることが
うかがわれます。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-10-14/2007101401_03_0.html