岐阜エフエム放送(FM岐阜、本社・大垣市)が、名古屋市などのFM各局と
県内のリスナー獲得を競う中で存在感を強めている。
地元出身・在住のディスクジョッキーを起用する地域密着路線を進め、
9月には県出身の人気アイドルの熊田曜子さん(25)を起用して自社制作した
新番組を同局を含む4局ネットで始めた。
帯番組のネット放送は、開局7年目で初の快挙だ。
新番組は「熊田曜子のいい旅 ふた旅 ぎふの旅」。12月までの4カ月間、FM岐阜では
毎週土曜の正午から25分間放送する。8月に県の飛騨・美濃観光大使になった熊田さんは
「(県内には)まだまだ自分の知らない良い所があると思うので、自分でも調べたりして
PRしていきたい」と意気込む。
新番組は10月から3カ月間、県がJR各社と連携して取り組む大型観光キャンペーンに
合わせて企画。観光情報を県外に発信しようと、県が番組のスポンサーになり、
FM岐阜が制作し、FM愛知、FM富山、FM石川も放送する。
01年4月に開局した後発のFM岐阜としては、ネット局での帯番組の放送は初の試み。
金川五朗常務は「自社の番組を他県に発信することは自信になる。これをきっかけに、
ネットワークの強みを生かした放送を模索したい」と力を込める。
県内は、FMラジオ局に限っても、FM岐阜とNHKの他、南部を中心に大半がFM愛知、
ZIP‐FM、愛知国際放送(レディオ・アイ)といった名古屋市のFM各局、
津市のFM三重の聴取エリアにもなっている「激戦区」だ。
中でも、名古屋のFM局は「岐阜県や三重県から車などで名古屋方面に通勤する人々も
リスナーに取り込む戦略」(FM愛知)。FM愛知も8月には多治見市を番組スポンサーに
取り込み、同市の猛暑対策を考える市民イベント「あっちっちサミット」の会場から公開生放送。
同局のPR車両を県内でも走らせる力の入れようだ。
これに対し、後発のFM岐阜は番組制作の外注が多く、すでに他局で経験を積んだDJを即戦力
として起用していた。しかし、06年に松岡幸秋社長が就任して以降、番組制作の外注を減らし、
社員による制作に切り替えてコストを削減、経営体質を強化する一方、地元出身や在住の
小島愛さん、久世良輔さんらを夕方のレギュラー番組などに積極的に起用してきた。
「わずかな時間でも取材に出かけて感じたことをその日の番組に反映させるように努めている」
と国枝博放送部長。聴取率(18〜49歳対象、ビデオリサーチ調べ)でも近年、県内ではAMを
含む全ラジオ局中、他局と同率ながら首位に躍り出たこともある。幅広い年代にとって聴き応えの
ある番組作りを徹底し、「地域1番局」を定位置にするのが次の目標だ。
●FM岐阜の番組を収録中の熊田曜子さん=東京都千代田区のスタジオで
http://mytown.asahi.com/gifu/k_img_render.php?k_id=22000000710090013&o_id=1719&type=kiji/jpg ◎岐阜エフエム放送 Radio80
http://www.radio-80.com/ ◎ソース asahi.com
http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000000710090013